北海道大学演習林試験年報;第7号

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樹幹析解の新しい試み

菱沼, 勇之助

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72838

Abstract

樹幹析解は、当初測樹学において一樹幹の成長経過から林分の成長経過を推定するために中央木を選んで行ったのがはじまりである。しかし、近年は林分の成長を推定することではなく、樹木樹幹の成長経過の量的把握に重点がおかれるようになった。そして、この解析は一般に樹木が①直立していること、②断面が正円であること、③すべての断面において同一年次の年輪福が同じであること、④下部の断面が上部のそれより大きいことを前提として行う仕組みになっている。したがって、この結果は平均化されたものであるし、成長経過の評価は総体的なものといえる。このため、樹幹がひどく曲がっている樹木などを使っての解析には必ずしも適していない。 また、直立しているものであっても、伐採して縦断面をみると木目が必ずしも真っすぐに通っているとは限らないことは、これまでの多くの研究者等によって報告されている。そこで手持ちの資料を使い、従来の解析方法を参考にし、また極力現実に近い樹幹形状を想定しつつ解析を試みた。

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