北海道大学演習林試験年報;第10号

FONT SIZE:  S M L

雨龍地方演習林の鳥類相

奥田, 篤志;林田, 光祐

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72946

Abstract

演習林は、主要な課題として天然林施業のあり方とその実践方法に関する試験研究を行っている。しかしこれまで林木だけを調査対象に進められてきた傾向が強かった。近年、環境問題がクローズアップされており、環境保全などを含めた総合的な施業法を確立するには、林木以外の野生動植物の生態などにも目を向けていく必要がある。 現在演習林では木材資源としての樹木に関するデータは大量に保有しているが、それ以外の動植物に関するデータはほとんどないに等しい。演習林は今後、あらゆる野外科学の研究フィールドとしての重要性が増大すると予想され、生物相の記載などの自然環境の基礎データの収集、整備が急務である。また、動植物の多様性は、森林の豊かさなどの状態を示す指標となり、天然林施業の方法および方向を検討するうえで重要なものとなりうる。なかでも鳥類は、比較的観察や種の同定が容易で、調査方法か確立している。そこでまず、雨龍演習林の典型的な林相をもつ母子里観察林での鳥類相、とくにその季節変化を調べた。これは今後の研究(伐採の影響、林相による違いなど)を発展、計画する際に必要な基礎データを提供するばかりでなく、比較対照地として位置づけられる。

FULL TEXT:PDF