北方森林保全技術 = Technical report for boreal forest conservation of the Hokkaido University Forests;第26号

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雨龍研究林における『モニタリングサイト1000』の事例紹介

青栁, 陽子;吉田, 俊也;竹田, 哲二;杉山, 弘;長谷川, 潤子;石田, 亘生;早柏, 慎太郎;植村, 滋;柴田, 英昭

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/73083

Abstract

『モニタリングサイト1000』とは、環境省が2003年度に開始した自然環境保全を目的とした調査計画を指す。環境省では、森林のほか、湿原や湖沼、海岸、サンゴ礁など日本列島の多様な生態系について、全国に合計1000ヵ所程度のモニタリングサイトを設置し、100年以上にわたる長期継続調査を目指している。基礎的な環境情報を長期にわたって収集することで、自然環境の変化をふまえ、迅速な保全対策を検討・実施するための成果が期待されている。『モニタリングサイト1000』の取り組みは、日本の長期生態学ネットワーク(JaLTER)の活動の一環としても位置づけられている。したがって、『モニタリングサイト1000』での調査結果は、生態系に関連する多くの研究へ応用されることも期待されている。2005年度から、雨龍研究林は『モニタリングサイト1000』の森林コアサイトに指定された。雨龍研究林には、過去の人為的影響の少ない天然性針広混交林が豊富に残されており、北海道北部の森林景観を代表できるサイトである。また、従来から多様な調査や観測が集約的に行われてきた。そして何より、研究林の組織が、こうしたモニタリングの実施に対して、柔軟な対応が可能であることが、コアサイトのひとつに位置づけられた理由といえる。本稿では、主要な調査地である416林班の『モニタリングサイト1000』の調査項目と、研究林独自で行ってきた調査の双方を紹介し、今後の展開と課題について報告する。

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