北方森林保全技術 = Technical report for boreal forest conservation of the Hokkaido University Forests;第28号

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天塩・中川研究林共同による林道維持作業について

金子, 潔

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/73068

Abstract

林道は研究林にとって森林管理にはもちろんのこと、教育・研究等多様な活動を行うために必要不可欠な基盤である。天塩研究林は約300km、中川研究林は約400kmに渡る林道路線を保有し維持している。しかし近年では予算や人員の減少、作業に必要な車両や機械の老朽化によって、林道の維持に支障を来たしかねない状況にある。これまでも、林道の重要性・使用頻度などを考慮し優先順位を付けて、各種の事業や教育・研究が円滑に進むように維持作業については取り組んできた。しかし、中長期的にはこのような方法だけでは対応できない可能性が生じており、研究林で協力し合って作業を行うことが考えられた。天塩・中川林では地理的な距離が近いことから、施業全体にわたって共同作業の可能性について、2004年より両林、さらには北管理部を交え検討してきた。このような協議で、共同作業による最良な効果を見込まれるものとして、林道の砂利敷き込みが提案され、2006年より開始することにした。砂利敷き込み作業は従来、各林が単独で行ってきた作業であるが、保有する車両やオペレーターの数から林道の全面補修が困難な場合も多く、部分的な補修にとどまる場合が目立った。しかし共同作業化を図ることにより、車両や人員の集中投下が可能となり効率よく全面的な補修がおこなわれた。2007年には、同じく林道維持作業として草刈りを共同作業化した。従来は天塩研究林1台、中川研究林ではリース1台を含め2台の体制で各林別々に実施してきた。しかしトラクター1台の更新が両林の共同利用という形でなされ、トラクターは2林で2台という体制になった。これを契機とし作業の見直しを図り、共同での作業を試行した。本報告では、これら砂利敷き込みと草刈りについての共同作業の実施状況について報告する。

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