經濟學研究 = The economic studies;第69巻第1号

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コンテンツ産業と管理会計の新領域 : Jeacle and Carter[2014]とLapsley and Rekers[2017]の知見を通して

吉見, 明希

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/74895
KEYWORDS : 文化産業;メディア;インターネット;大衆文化;学際的会計研究;戦略的管理会計

Abstract

コンテンツ産業は現代の先進国において特に成長が見込まれる産業であるが,管理会計の視点から研究されたものはわずかである。そこで,管理会計的な視座からコンテンツ産業を研究する意義について,会計とコンテンツ産業の両者に関心を寄せる2本の論稿を通して明らかにする。本稿のⅡ節においては,Jeacle and Carter[2014]から,これからの学際的会計研究に期待される3つの研究領域が示される。そして,それらの領域に踏み込むにあたっては,レビューを通じてコンテンツ産業が研究対象として適することを論じる。また,Ⅲ節においては,Lapsley and Rekers[2017]を取り上げる。ここでは,従来の戦略的管理会計の欠点を補うために,実務としての戦略に注目すべきであることを,文化産業であるウェストエンド・ミュージカルの事例研究を通じて示し,文化産業における文化コンテンツを定義とともに主張している。前章を踏まえたこの論文のレビューを通して,まずコンテンツ産業と管理会計からみた各論文の評価を行うこととし,Jeacle and Carter[2014]の3つの研究領域のそれぞれにあてはまる事例研究となっていること,コンテンツについての概念整理が行われていることを確認する。以上より,上記2本の論文のレビューを通じて,コンテンツ産業が管理会計の新領域を開拓するために,適した研究対象であることを示す。

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