北海道歯学雑誌;第42巻

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根管拡大形成を簡略化する高周波通電と接着根管充填

菅谷, 勉

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/82745

Abstract

根管治療の問題点1.根管拡大形成の限界 抜髄や感染根管治療は処置件数が多く,日常臨床で膨大な時間を費やしている.その多くは根管拡大形成のためであるが,これは歯髄や感染歯質を機械的に除去し根管充填を確実に行うために必須とされている.近年,根管拡大形成用器具の開発が進み,さまざまな製品が広く臨床で使用されるようになっており,とくにNi-Tiロータリーファイルは湾曲した根管への対応を大きく向上させた.しかし,偏平な根管やイスマスなどは切削できず,これらに対してはSAFシステムなどファイルを上下動させる機器が開発されているが,改良の余地が多いのが現状である.さらには,副根管,側枝,根尖分枝,髄管などは,存在すらわからないことがほとんどで,神の手をもってしても機械的に切削することは不可能である.とくに臨床で大きな問題になるのは,一度根管が拡大形成されてジップやレッジが形成されている根管の再治療である1).ジップやレッジがあるとマイクロスコープや最新機器を駆使しても切削できない部位が残ってしまい,感染根管治療の成功率を著しく低下させることになる.

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