經濟學研究 = The economic studies;第58巻第4号

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小売フォーマット概念の再検討

坂川, 裕司

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/37313
KEYWORDS : 小売業;フォーマット;業態;差別化;市場細分化

Abstract

まず本稿は,フォーマット概念に関して,先行研究における定義や用法,アプローチを整理した。先行研究は,フォーマットを差別化と市場細分化のコンテクストでとらえてきた。また分析に用いられるアプローチは,消費者行動と企業行動に焦点を当てたアプローチとに二分されてきた。次に本稿は,食品専門量販店を取り上げ,先行研究におけるフォーマット概念の定義にもとづいて事例を考察した。最後に本稿は,事例の考察を通じて,フォーマット概念を用いた先行研究に内在する問題点を明らかにした。 本稿は,先行研究のフォーマット概念について,2つの問題点を明らかにした。第1の問題点とは,同一の事例について考察したとしても,採りうるアプローチによって,フォーマットが多義的に解釈される可能性である。第2の問題点とは,時間軸においてフォーマットを定義し,小売企業の行動を分析することにともなう限界である。

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