研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第22号

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助動詞としての「ものだ」の認定

張, 力丹

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/87856
JaLCDOI : 10.14943/rjgshhs.22.l1

Abstract

本稿は〈一般性〉や〈当為〉など特殊の意味用法が派生した「ものだ」が助動詞として捉えられる可能性を検討した。きちんと活用ができるかどうかはその認定にあたって重要なポイントであると位置した。従来の助動詞「だ」「である」の活用体系を考察し整理したとき,「ものだ」および「ものである」は単なる「だ」と「である」の活用体系を受け継ぐことではなく,相違点がありながら各自の活用体系が形成された。また,「ものだ」「ものである」は並行的に各自の活用体系を成しているのではなく,補充法により補い合ったところ整った活用体系ができたわけである。このように,従来根拠が不十分なまま「助動詞化した」として捉えられてきた「ものだ」に活用体系を構築したことで,「ものだ」を助動詞として捉えることができるという旨を示した。

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