子ども発達臨床研究 = The Annual Report of Research and Clinical Center for Child Development;第17号

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外国人児童生徒の教育保障に関する法整備と行政介入の日伊比較 : 北イタリアのトレント自治県における「2008年3月27日付県知事命令第8-115/Leg号」 全文訳・訳注付

望月, 由美子

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/88636
JaLCDOI : 10.14943/rcccd.17.1
KEYWORDS : 移民;外国人児童生徒;教育保障;イタリア;トレント自治県

Abstract

外国人児童生徒の受入、及び教育保障の条件整備をどう進めるべきか。この問いに対し、本稿は北イタリアのトレント自治県が定めた2008 年3 月27 日付県知事命令第8-115/Leg 号「県教育制度における外国人児童生徒の参加と統合に関する規則」を取り上げてこれに先立つ移民受入状況やそれに伴う法制度と併せて検討し、日本の政策への示唆を得るべく制度運用の検証を行った。イタリアは、2000 年頃より外国人児童生徒に対する教育の権利、就学義務等の法的保障を進めており、なかでもトレント自治県は外国人児童生徒に公平性・平等性をもった学習権保障のための法制度及び実施規則を整備し、母語・母文化の教育支援、専門職員の確保、ラボラトリーや個別学習コースの設定など、透明性の高い行政介入型の支援を推進してきた。日本は現在、外国人未成年の不就学及び日本語教育支援課題を抱えながら、制度的保障の展望をいまだ描けていない状況にあり、ゆえにこのトレント自治県の事例等を手掛かりに、われわれもまた行政介入型の支援の仕組み、条件整備の議論を進めながら、日本型モデルを検討することが求められるとした。

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