北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第142号

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労働時間から見る母子世帯の就労の特徴

熊谷, 良介

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/90058
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.142.1
KEYWORDS : 母子世帯;労働時間;長時間労働;非典型時間帯;lone mother;working hours;long working hours;nonstandard hours

Abstract

本研究は,労働時間に着目して分析し,母子世帯の母親の就労がどのような状況にあるのかを北海道子どもの生活実態調査の結果から明らかにする。本研究では,以下の結果が得られた。母子世帯において子どもが小学校の段階から労働時間を調整しながら正規雇用についている割合が両親世帯よりも高い一方で,非正規として長時間労働をしている世帯も多いことから,母子世帯のなかでも格差が存在していることが示唆された。勤務時間帯で見ると,法定労働時間内で働いている場合,母子世帯において非典型時間帯労働をしている母親が多い傾向が見られる一方で,長時間労働の場合,非典型時間帯労働ではない形で働こうとする母子世帯が一定数存在している可能性も示唆された。経済状況をみると母子世帯において労働時間が長い場合でも黒字である世帯の割合は少なく,半数近くは赤字となっており,長時間労働によってなんとか赤字を抑えている状況が確認された。

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