北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第107号

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農村におけるネットワーク型の地域づくり主体形成

若原, 幸範

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/38712
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.107.159
KEYWORDS : 地域づくり;主体形成;ネットワーク;農村;グリーン・ツーリズム

Abstract

本稿では,地域づくり主体を集団的に捉え,特に農村における「ネットワーク型」の地域づくり主体の形成条件とその発展課題を,具体的事例の分析に基づいて実証的に明らかにすることを目的としている。「ネットワーク型」組織とは,諸個人・諸団体の特殊な利害をこえて,地域全体の課題解決のためにつながる組織である。対象事例には,北海道の「別海町グリーン・ツーリズムネットワーク」を取り上げた。そこでは地域におけるグリーン・ツーリズムの発展を実践者だけの問題でなく,地域全体=地域づくりの問題と捉え,地域内の多様な主体によるネットワークが形成されている。本事例の分析を通して,ネットワーク化においては諸主体を媒介する独自の主体と多様性の尊重が重要であることを明らかにしたが,形式的なネットワーク化から地域づくり主体形成への発展のためには,更なる地域課題認識の高次化が必要であることが課題として示された。

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