Permalink : http://hdl.handle.net/2115/56356

KEYWORDS : 制度;価値基準;活動;資源;事例研究

本研究は，社会福祉法人北海長正会の高齢者介護事業である四恩園において，なぜ高い組織成果が達成されたのか，および，どのようにして高い組織成果が達成されたのかの解明が試みられた。理論的枠組にもとづく事例研究の結果，高齢者介護組織の制度，価値基準，活動，資源，組織成果の間の各変化プロセス，およびこれら5つの要素間の相互関係が動態的に解明された。分析の結果，以下の3点が明らかになった。（1）制度，価値基準，活動，資源の各要素が相互に十分に結び付いているか否かが，組織成果を規定することが明らかになった。高い組織成果を達成するためには，特定の要素が変化した場合，その変化に合わせて他の要素を変化させる必要がある。（2）制度，価値基準，活動，資源の結び付けには，2つの方法が存在することが明らかになった。1つはトップダウン型による結び付けであり，もう1つはボトムアップ型による結び付けであった。（3）トップダウン型による結び付けが行われたことが，その後のボトムアップ型による結び付けを可能にしたことが明らかになった。