北方森林保全技術 = Technical report for boreal forest conservation of the Hokkaido University Forests;第29号

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天塩研究林における育林事業の展開と今後の展望

小塚, 力;高木, 健太郎;岸田, 治;高橋, 廣行;浪花, 愛子;坂井, 励;伊藤, 欣也;實吉, 智香子;林業技能補佐員

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/73062

Abstract

天塩研究林は北緯45度に位置し、日本最北の森林帯に属している。面積は約22,000haで、問寒別川を挟んで蛇紋岩が広く分布する東側にはアカエゾマツ純林が、新第三紀層の西側では針広混交林が成立している。天塩研究林は創設されて以来、天然林を中心とした伐採をして北海道大学の財政に貢献する一方、幾度となく山火事の被害にあい、その資源を焼失させてきた。従って伐採跡地や山火事跡地の森林資源の回復が天塩研究林の創設以来の大きな課題の一つとして取り組まれてきた。本報告ではまず第一に森林資源回復の手段として行われてきた天然更新補助作業や植林、さらにはその後の保育作業等の展開過程を実行簿や年度報告を基にして更新技術、労働力、そして事業の実行形態の変化に注目して整理した。第二にその結果として存在している更新地の分布や蓄積などの現況を主に2004年に行われたLidar計測によるデータの分析、ならびに更新台帳の整理によって明らかにするように努めた。そして天然林や更新地の現状を考慮して、森林資源回復のために天塩研究林が今後組織的に取り組むべき課題を考察した。

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