北大宗教学年報;第2号

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ヘイドン・ホワイトの『メタヒストリー 十九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』における「歴史の詩学(The Poetics of history)」についての考察

長島, 徹

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/75428
JaLCDOI : 10.14943/90375

Abstract

現在、宗教学において、マックス・ミュラー、タイラー、マレット、フレイザーなどが示した、十八、十九世紀の「時代遅れの」宗教史は、それ自体が古典(史料)として扱われており、それらが反映する思想について、またそれらのテキストにおける文学的表現について、分析の対象となっている。これらの関心はつまり、歴史学的な「テキスト」そのものに対する関心ともいえる。またこうした観点から研究が行われる場合には、その「メタ」的な分析が準拠すべき理論的・方法論的な枠組みについての議論も当然現れてくる。本稿はこうした「メタ」的な分析における研究の方向性を探り、その可能性について検討するための予備的な考察を行うことを目的とする。その題材として、歴史学における「言語論的転回」 の端緒となり、広範な論争を巻き起した、ヘイドン・ホワイトの『メタヒストリー 十九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』を取扱う。特にそこにおいて提示された「歴史の詩学(The Poetics of history)」という図式について考察する。

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