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農作業受委託契約における情報の不完全性 : 展開型ゲームによる考察
Title: | 農作業受委託契約における情報の不完全性 : 展開型ゲームによる考察 |
Authors: | 樋詰, 伸之 Browse this author | 修, 震杰 Browse this author | 長南, 史男 Browse this author →KAKEN DB |
Issue Date: | 28-Jun-1996 |
Publisher: | 日本農業経済学会 |
Journal Title: | 農業經濟研究 |
Volume: | 68 |
Issue: | 1 |
Start Page: | 20 |
End Page: | 27 |
Abstract: | 北海道の代表的な畑作・路農地帯で,ファームコントラクター(註1)に対する期待が急速に高まっている.十勝地域では,少なくとも10社の作業受託組織が営業しており,このうち7社は農家や農協が主体とならない,補助金を得ることのない民間企業である.いずれも1991年以降に設立され,牧草収穫などの農作業を受託しているが,作業委託の潜在的需要は大きいといわれているにもかかわらず,期待に反して普及が遅れている.農外資本の参入は受け入れがたいといった議論は別として,作業受委託市場の発展のためには農家とコントラクター間の信頼関係の構築こそが重要であり,その際に情報の不完全性についての認識が不可欠である.作業を委託する際には,作業料金や作業内容が重要であるが,オペレーターの能力や作業の出来を事前に知ることはできない.そこで近所や知人の評判が重要となってくる.受託側からすれば,圃場での作業能率はオペレーターの能力,農業機械の性能のみならず,委託された作業圃場の質に依存する.そして圃場の質は実際に作業してみないとわからないことが多い. これらはいわゆる情報の不完全性が存在していることを示すものに他ならない.また契約の過程では,相手の行動に反応して自分の行動を決定することが多い.たとえばコントラクターが作業料金を提示した後に,農家はどのような作業を,どれだけ委託するかを決定している.すなわち「手番」が震要である.小稿では,十勝地域で最近、注目されている民間ファームコントラクター(註2)の実態調査の知見をもとに,不完全情報下での農作業受委託の契約過程を,農家とコントラクターがプレイヤーとなるゲームとして理論的に解明し,不完全情報の合意を明らかにする. |
Type: | article |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/49700 |
Appears in Collections: | 農学院・農学研究院 (Graduate School of Agriculture / Faculty of Agriculture) > 雑誌発表論文等 (Peer-reviewed Journal Articles, etc)
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Submitter: 長南 史男
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