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Studies on the quick freezing of mouse early-stage embryos and unfertilized oocytes using ethylene glycol

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.11501/3076711

Title: Studies on the quick freezing of mouse early-stage embryos and unfertilized oocytes using ethylene glycol
Other Titles: 凍害保護物質としてエチレングリコールを用いたマウス初期胚および未受精卵子の急速凍結に関する研究
Authors: Rayos, Antonio A. Browse this author
Issue Date: 25-Mar-1994
Publisher: Hokkaido University
Abstract: エチレングリコール(細胞膜透過型凍害保護物質)と、スクロース、ラクトースあるいはトレハロース(非透過型凍害保護物質)を組み合わせて用いた急速凍結法の、マウス初期胚、未受精卵子および体外成熟卵子に対する適応性について検討した。マウスの2、4および8細胞期胚を、3Mエチレングリコールと0.25Mのスクロースあるいはラクトースを含む凍結媒液に浸漬し、5から40分間平衡した後、液体窒素直上の低温ガス相中に静置して急速凍結を行った。融解後、凍害保護物質を希釈除去し、胚を体外培養することで、平衡時間と胚の発育段階が、凍結・融解後の生存率へ及ぼす影響を調べた。急速凍結によって凍結保存された胚の生存率は、用いた糖類の間で有意な差異は認められなかった。2および4細胞期胚を凍結血液中で5分間平衡した場合、凍結・融解後の胚の生存性は低かった。しかし、平衡時間を10分間に延長することで生存性は増加した。8細胞期胚においては、5から40分間の平衡時間では、凍結・融解後の生存性に有意な差異は認められなかった。全ての発育段階の初期胚において、液体窒素ガスに投入する前の平衡時間が10分間の場合、最も高い生存率を示した。40分間までの凍結媒液への胚の暴露は、凍結を行わず体外培養をした場合、拡張胚盤胞への発育に抑制的な影響を与えなかった。マウス1細胞期胚を、3Mエチレングリコ一ルと0.25Mのスクロースあるいはラクトースを含む凍結媒液中で5から40分間平衡した後、急速凍結を行った。融解後、凍害保護物質を希釈除去して、体外培養を行い、平衡時間と凍害保護物質の希釈除去法の影響について調べた。前章と同様、凍結・融解後のマウス1細胞期胚の生存率は、糖類により有意な差異はなかった。凍害保護物質の希釈除去の際に、O.5あるいは1Mのスクロースまたはラクトースを用いても、胚の生存性に差異は認めちれなかった。しかし・等張PB1液へ胚を直接浸漬する方法では、生存率は有意に低下した。急速凍結を行う前に、胚を凍結媒液中で10分間平衡した場合、最も高い生存率が得られた。平衡時間を短縮(5分間)あるいは延長(40分間)した場合、胚の生存率は有意に低下した。体内での生存性を確かめるために、最適な条件下(10分間の平衡時間と0.5Mのスクロースまたはラクトースによる凍害保護物質の希釈除去)で凍結した1細胞期胚から作出した胚盤胞を偽妊娠3日目の雌マウスの子宮角に移植した。凍結・融解した1細胞期胚の体外培養における胚盤胞への発育率(68.0および66.7%)は対照区(92.7%)に比べ有意に低かった。しかし、移植試験の結果、凍結・融解したマウス1細胞期胚から作出された胚盤胞の体内での発育能は対照区と同程度であった。マウス排卵卵子を、3Mエチレングリコールと0.25Mのスクロースあるいはトレハロースを含む凍結媒液中で5から40分間平衡した後、急速凍結法により凍結を行った。融解後、凍害保護物質を希釈除去し、生存している卵子について体外受精を行い、受精率とその後の体外での発育率に及ぼす平衡時間の影響について調べた。凍結・融解後の体外受精率は、平衡時間および用いた糖類により、有意な差異は認められなかった。しかし、平衡時間が20あるいは10分間の場合の総受精率および正常受精率は、5あるいは10分間平衡を行った場合に比べて高い傾向を示した。体外受精を行った凍結・融解卵子の2細胞期胚あるいは拡張胚盤胞への発育率は、凍結媒液中で5分間平衡した場合に比べて、20あるいは40分間平衡を行った方が有意に高かった(P<0.05あるいはP<0.01)。体内での発育を調べるために、最適な平衡時間(20分間)を用いて凍結した未受精卵子から作出した胚盤胞を、偽妊娠3日目の雌マウスの子宮角に移植した。体外受精を行った凍結・融解卵子の体外培養における胚盤胞への発育率は、凍結を行わなかった対照区に比べて有意に低かったが、凍結卵子由来の胚盤胞の移植試験では、受胎率および胎子の発育は、対照区と同程度であった。最後に、3Mエチレングリコールと0.25Mのスクロースを含む凍結媒液中で20分間平衡した後、急速凍結を行った卵核胞期(GV期)卵子および体外成熟卵子の生存性と発育能について調べた。凍結・融解後のGV期卵子および体外成熟卵子の生存率は、それぞれ68.9および72.7%だった。凍結・融解後のGV期卵子の体外成熟能は非常に低く、その後の体外受精や発育に関する検討は行えなかった。凍結・融解後の体外成熟卵子において、媒精後6あるいは24時間目における受精胚および2細胞期胚の割合は、それぞれ、83.9あるいは69.6%であった。体外受精後110から120時間における拡張胚盤胞への発育率は47.1%であった・凍結・融解を行った体外成熟卵子と対照となる非凍結体外成熟卵子のそれぞれから得られた胚盤胞を、偽妊娠3日目の雌マウスの子宮角に移植した結果、受胎率および胎子の発育に差異は認められなかった。以上の結果より、凍害保護物質どして、エチレングリコールと、スクロース、ラクトースあるいはトレハロースを組み合わせて用いることが、マウス初期胚、未受精卵および体外成熟卵子の急速凍結に適していることが示された。
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第3457号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 獣医学
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/51193
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Submitter: Rayos Antonio A.

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