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第77号 >
ランジュバン方程式の複素スケール変換と狭心症
Title: | ランジュバン方程式の複素スケール変換と狭心症 |
Other Titles: | Langevin Equation Transformed by Complex Scaling and Pectoris |
Authors: | 小山, 順二1 Browse this author →KAKEN DB |
Authors(alt): | KOYAMA, Junji1 |
Issue Date: | 19-Mar-2014 |
Publisher: | 北海道大学大学院理学研究院 |
Journal Title: | 北海道大学地球物理学研究報告 |
Journal Title(alt): | Geophysical bulletin of Hokkaido University |
Volume: | 77 |
Start Page: | 31 |
End Page: | 43 |
Abstract: | 複雑なランダムシステムの活性化をランダム現象の力学過程を複雑化することで考える.先ず,複雑なランダムシステムがランダムに変動するクラスター群の集まりであると考え,それぞれのクラスターはそれぞれのランジュバン方程式で記述され,クラスター毎の運動はブラウン運動のふるまいを示す.システム全体が持つランダムな複雑さをランジュバン方程式間に存在するスケール変換で特徴づける.このように考えた複雑なランダムシステムは一般化ブラウン運動の一つのモデルとなるものであり,一般化ブラウン運動を特徴づけるハースト定数Hとここで考えたスケール変換のフラクタル次元D(D>0)との間に,1-D=2H-2 の関係が導かれる. H=1/2の古典的なブラウン運動は,D=2を示し,2次元空間を埋め尽くすような運動を示している.0<H<1/2の範囲では,フラクタル次元が1<D<2となるから,一般化ブラウン運動が一度通った点を再び通ることはなく,自己回避型の運動となる.さらに,1/2<H<1では,2<D<3となり,2次元空間の同じ点を繰り返し通過する運動になる.また,0<D<1のフラクタル次元をもつ運動も定義される.それはもはや連続した運動を表現するものではなく,いたるところで途切れた運動となる.この場合,1<H<3/2となり一般化ブラウン運動の定義域を超えているが,連続でないブラウン運動も次元の理解の自然な拡張として許すなら,ここで考えたスケール変換によるブラウン運動の表現は従来の制約をこえ,より一般的な表現になっている.議論は,複素スケール変換を同様に考えた場合にも及び,そこでは複素ブラウン運動の不安定 化など,そのふるまいを物理的に理解する一つのモデルを提示する. |
Type: | bulletin (article) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/55266 |
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