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平成25年度北海道大学低温科学研究所共同利用研究集会『氷河変動の地域性に関する地理的検討』報告書

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Please use this identifier to cite or link to this item:http://hdl.handle.net/2115/56290

Title: 平成25年度北海道大学低温科学研究所共同利用研究集会『氷河変動の地域性に関する地理的検討』報告書
Authors: 朝日, 克彦//編 Browse this author
Issue Date: May-2014
Publisher: 北海道大学低温科学研究所
Citation: 朝日克彦編, 平成25年度北海道大学低温科学研究所共同利用研究集会『氷河変動の地域性に関する地理的検討』報告書. 北海道大学低温科学研究所, 2014, iii, 46p.
Abstract: 氷河は陸地の約10%を占め,その消長は気候変動の指標となる.また,第四紀スケールでは氷河の拡大・縮小が海水準を変動させ,地球環境を規定する要因であり続けた.そのため,氷河学のみならず自然地理学,第四紀学において,様々な時間スケールでの氷河の変動が研究対象として大きな比重を占めてきた.そうした中で,気候変動下における氷河の変化は氷河そのものを研究対象とする諸分野のみならず,地球科学をはじめとする諸科学においても言及されるようになった.IPCC 第四次報告書をはじめとして,地球温暖化による世界の氷河の後退とその後退が加速していることが「事実」として認識されている.一方で,氷河は世界に16 万あるとされるが,そのうち過去の氷河末端変動が明らかにされている氷河は2000 程度でしかない.また全般的な氷河後退が事実であるとしても,19世紀半ばまでの「小氷期」以降の氷河後退と,地球温暖化による氷河後退の「加速」との関係は明確ではなく,曖昧なまま世界の氷河後退が地球温暖化との関係で「事実」として認識されるに至っている.氷の塊である氷河は一定の気温・降水量のもとでしか存在しえず,世界各地,気候条件がそれぞれに異なることを考慮すれば,世界中一様に氷河が後退したり,一様に後退が加速したりすることは考えがたい.実際,氷河の質量収支は世界各地でまったく異なり,現在の気候環境下でも正の収支になる地域もある.そこで,氷河変動について各地をフィールドにする研究者で会し,世界各地の氷河変動を総括する研究会を2013 年6 月17・18 の両日,北海道低温科学研究所において研究集会『氷河変動の地域性に関する地理的検討』を開催した.本報告書は発表内容をまとめたものである.上述の問題意識のもと開催したので,発表者には「各地の氷河を形成する気候条件に言及して欲しい」とお願いした.その結果,海洋性なのか大陸性なのかという気候条件,気温の年較差よりも日較差が大きい熱帯,通年で気温がほとんどプラスに転じない高緯度地方,それぞれに気候条件が大きく異なり,氷河を形成する条件が違うことが明確になった.のみならず,それぞれの山域内においても,山脈の風上か風下か,冬季の降雨が顕著か否かによって降水量が極端に異なり,したがって緯度・経度方向での氷河平衡線高度に著しい傾きがあり,当然のことながら氷河変動の様子が域内でも大きく異なることがつまびらかになった.この様な問題意識のもとでの事例報告は世界的にも事例がなく,貴重な機会となった.こうした各地の事例報告が今後の研究に幾ばくかの貢献をなせば幸いである.
Description: 平成25年度北海道大学低温科学研究所共同利用研究集会『氷河変動の地域性に関する地理的検討』. 2013年6月17日-18日. 北海道大学低温科学研究所, 札幌市.
Conference Name: 平成25年度北海道大学低温科学研究所共同利用研究集会『氷河変動の地域性に関する地理的検討』
Conference Place: 札幌
Type: proceedings
URI: http://hdl.handle.net/2115/56290
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