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Studies on the practical production of docosahexaenoic acid using thraustochytrid microorganisms

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k11348
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Title: Studies on the practical production of docosahexaenoic acid using thraustochytrid microorganisms
Other Titles: スラウストキトリッド類微生物を用いたドコサヘキサエン酸の実用的生産に関する研究
Authors: Bin Haji Mohd Taha, Ahmad Iskandar Browse this author
Issue Date: 25-Mar-2014
Publisher: Hokkaido University
Abstract: ドコサヘキサエン酸(DHA)はヒトの必須脂肪酸である。DHAは脳や網膜のリン脂質成分として高い割合で含まれており、特に脳機能に関わるアルツハイマー型痴呆症やうつ病などの疾病に有効であるとされる。DHAは海産魚介類に蓄積されているので、ヒトは主としてDHAをこれらの食品から摂取するが、サプリメントとして利用することも多い。しかし、歴史的に魚介類の大消費国である日本国においても、食生活での魚離れが進んでいることなどから、現代人のDHAの摂取量は不足している。DHAの原材料としてはもっぱら魚油が使用されているが、経年的な漁獲量の低下、海洋汚染に伴う魚油への重金属の蓄積などから、世界的にみればDHAの原材料は魚油から発酵生産による微生物油に移行ししつあるとみられる。アメリカにおいては既に乳児用ミルクに魚油由来のDHAを添加することは法律で禁じられている。日本では微生物由来のDHAはまだ生産されていない。魚油に比べて高コストであることが最大の理由である。DHAを多量に蓄積する微生物は海産性であり、その増殖にはNaClを必要とするので、海水を確保すること、海水中の高濃度のClイオンがステンレス製培養タンクの腐食の原因になることなどが高コスト化の要因である。本研究ではDHA蓄積性スラウストキトリッド類微生物12B株を材料にして、DHAの発酵生産技術を実用レベルにまで上げることを目的とし、海水を用いない培地の作成、DHA生産性の一層の向上条件を検討した。また、12B株の分類学的帰属についても調べた。12B株は従来、50%海水に、研究レベルで用いられる高品質の1%ペプトン、1%酵母エキス、8%ブドウ糖を加えたF培地で培養されている。本研究では先ず、このペプトン、酵母エキス、ブドウ糖の濃度を一定にし、海水の主要塩類である、NaClとMgSO4の濃度を変えて12B株の細胞収量への影響をみた。培地中のNaCl濃度は0.1%まで低下させることが可能であり、0.1%NaCl存在下では1.0%MgSO4で最大の細胞収量を得た。F培地に用いる海水を0.1%NaClと1.0%MgSO4で置き替えた培地(NM培地)での細胞、DHA収量(それぞれ18.8 mg/ml, 2. 4 mg/ml)はF培地を用いた時の値(それぞれ11.4 mg/ml, 0.7 mg/ml)を上回った。0.1%NaClはステンレスの性状に影響をもたらさない。培地調製の低コスト化をさらに推し進めるため、ペプトン、酵母エキス、ブドウ糖の全てを安価な工業用のものに置き換えた培地(INM培地)を調製した。これを用いた場合の細胞、DHA収量はNM培地の値をさらに上回った。INM培地は、その調製コストがF培地の場合の約30%と見積もられる(海水の採取や運搬、濾過のコスト、人件費などは除く)ことから、DHAの微生物発酵生産の実用性が高まったと考えられる。12B株は、18S rRNA遺伝子とミトコンドリアチトクロム酸化酵素サブユニットII遺伝子の塩基配列の相同性解析、及び生理・形態学的特徴によって、暫定的にAurantiochytrium 属の新種と同定した。
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第11348号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 環境科学
Examination Committee Members: (主査) 特任准教授 奥山 英登志, 教授 森川 正章, 教授 木村 正人, 准教授 東條 元昭 (大阪府立大学大学院生命環境科学研究科), 研究グループ長 森田 直樹 (独立行政法人産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門)
Degree Affiliation: 環境科学院(生物圏科学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/58150
Appears in Collections:学位論文 (Theses) > 博士 (環境科学)
課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 環境科学院(Graduate School of Environmental Science)

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