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Development of rumen escapable capsules for cattle

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.r7013
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Title: Development of rumen escapable capsules for cattle
Other Titles: ウシ用ルーメンバイパスカプセルの開発
Authors: 瀬山, 智博 Browse this author
Issue Date: 23-Mar-2017
Publisher: Hokkaido University
Abstract: 現代のウシは生産性を伸ばすための遺伝的改良が進んだことから、産乳や産肉に要するエネルギーを、飼料から得られるエネルギーだけで補うことが困難になっている。特に周産期の乳牛では、不足するエネルギーを補うための体脂肪動員に伴う様々な代謝病が問題となっている。単胃動物の代謝病の予防や治療には、医薬品の経口摂取が有効であるが、反芻動物であるウシでは反芻胃、特に第一胃が障壁となって、医薬品を経口投与することができない。 本研究では、成牛で200Lもの容積がある微生物発酵槽になっている第一胃で分解されず、内容物を下部消化管に到達させ得るウシ用カプセルを開発し、その有効性を検証した。 第一章では、ウシの反芻を回避して、下部消化管に到達し得るカプセルの直径と比重を決定するため、カプセルを模した樹脂球の投与・回収試験を実施した。その結果、どの樹脂球直径においても、比重1.19と1.41の回収率が高く、比重0.95と2.20は有意に低かった。反芻を受けた樹脂球の割合は、比重0.95が他の比重よりも有意に高かった。消化管通過速度の違いとして、樹脂球投与24時間後、48時間後、72時間後における累積回収率は、比重1.19が有意に高かった。以上から、ウシに用いるカプセルとしては、比重1.19から1.41で、直径6.35から7.94mmが最も適していると考えられた。 反芻を回避できるカプセルが下部消化管で溶解し、内容物を放出していることを確認するため、第二章ではビタミンB1(チアミン塩酸塩)を内包するカプセルを調製し、ウシに経口投与して、血中チアミン濃度の変化を確認した。その結果、カプセル投与区では、血中チアミン濃度は投与6時間後に投与前(12.8±1.3ng/ml)の4倍に達した(52.4±2.2ng/ml)。一方、カプセル化せずに同量のチアミン塩酸塩を水溶液で投与した対照区では、投与6時間後の血中濃度は13.3±2.2ng/mlにとどまった。このことから、開発したカプセルは第一胃で溶解することなく、速やかに下部消化管に到達して内容物を放出していることが示された。 上述のように、反芻や第一胃内での溶解を回避するウシ用カプセルを開発することができたが、さらに、従来のウシ用飼料では困難であった「乳酸菌の下部消化管到達」により、腸内細菌相が受ける影響を検証するため、第三章では、乳酸菌カプセルの投与試験を行った。その結果、乳酸菌を生理食塩水に懸濁して投与した対照区と比較して、カプセル投与区では、細菌種の多様性を示すα多様性が増加する傾向にあった。また、主成分分析では、カプセル投与区と対照区は主成分1および2で区分できる傾向にあった。以上から、乳酸菌カプセルによって腸内細菌相を変化させ得ることが明らかになった。 動物用医薬品や飼料としての利用には、カプセルの下部消化管への到達率を明らかにしなければならないが、反芻を回避し、内容物を下部消化管に届け得るウシ用カプセルは、従来は困難であった生菌剤や医薬品などの経口投与を可能にする技術であり、新たな治療法や飼養技術の確立に貢献できよう。
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 乙第7013号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 獣医学
Examination Committee Members: (主査) 教授 鈴木 定彦, 教授 東 秀明, 准教授 磯田 典和, 准教授 中島 千絵
Degree Affiliation: 獣医学研究科
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/65646
Appears in Collections:学位論文 (Theses) > 博士 (獣医学)
論文博士 (Doctorate by way of Dissertation) > 獣医学院(Graduate School of Veterinary Medicine)

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