HUSCAP logo Hokkaido Univ. logo

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers >
Theses >
博士 (教育学) >

Subcultures of war : Images of the Asia-Pacific War in Japanese youth and fan culture

Files in This Item:
Aleksandra_Jaworowicz-Zimny.pdf2.84 MBPDFView/Open
Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k13187
Related Items in HUSCAP:

Title: Subcultures of war : Images of the Asia-Pacific War in Japanese youth and fan culture
Other Titles: 戦争のサブカルチャー : 若者とファンの文化における太平洋戦争のイメージ
Authors: Jaworowicz-Zimny, Aleksandra Wiktoria Browse this author
Issue Date: 22-Mar-2018
Publisher: Hokkaido University
Abstract: 本論は日本の若者の娯楽の間に(メディア化された)戦争歴史の場を指摘し、社会で下から形作られ、普及されたナショナリズムについての知識を深める。日本のサブカルチャーには太平洋戦争(1937‐1945)の影響を受けた数々の作品が絶え間なく存在している。戦争のイメージに関わる多くの作品の研究が盛んであるのに対しサブカルチャーに分類されるアマチュア作品の内容はそれほど知られていない。本論は独自の文化循環で定義した日本のファンプロダクションにおける戦争のイメージを解析する。まず、音楽、同人誌、MAD (ファンビデオ)と軍装コスプレーの4 つのタイプを焦点とし考察した。その中で戦争をテーマにするファンプロダクションの解析のために必要な概念を感動、ノスタルジア、ポップナショナリズムの3つに分類した。感動というのは、作品に接して強い印象を受け,心を奪われること。ノスタルジアは歴史を理想的に考えさせ、現在の事情に合わせて過去の出来事を理解させる。最後にポップナショナリズムというはスポーツチーム、国の象徴や国産製品の応援など、歴史認識や現代国家への愛国心とは違った、小さいことで日本に対しての愛情を表す動向。この3つの要素が ファンプロダクションについての論の基本になる。本研究では実際の戦争体験をもとにしたものではなく、サブカルチャーとメディアから影響を受けた若者によって作られたファンプロダクションを事例として紹介した。全ての作品は視聴者に消費という目的で作られ、インターネットやファンイベントで公表されたものである。本論ではファンプロダクションの内容、提示した戦争物語のタイプとイデオロギーの立場について解析した。また、できる限り作者に連絡を取り、インタビューを通して作者の歴史的な興味, 創作の動機づけとその背景を含め戦争時代に関わる研究について話した。戦争をテーマにするファンプロダクションの解析により、これらのアマチュア作品が政治的スぺクトルの右端に近い、保守的、国家主義的な思想に近いことが分かる。これに対し主流文化を考察すると進歩主義から進歩的傾向、保守主義と国家主義まで、幅広いイデオロギーの分布が見られる。本論ではサブカルチャーの作品のイデオロギーの一極化の原因はその形式と関係があると考える。ファンプロダクションは趣味として作られ、作品の享受者、創作者ともにが楽しめるものである。これらの作品にみられる視覚的かつ感情的な短い形式は批判的表現より愛情や憧れのほうが表現しやすいものである。本論の研究で明らかになったのは、これらの作品の創作者は興味がある範囲の徹底的な研究を行い、日本の戦争の歴史の狭い範囲において深い知識を得る。多くの創作者は日本の戦争責任についての知識を持っているにも関わらず、この点に関わる論議は避けている。また、彼らの創作の動機づけは自己表現の場合もあれば戦争の歴史を教え、伝えるというものまで作者によって異なる。後者に関しては主に太平洋戦争に日本が積極的な役割を果たしたこと唱え、国家主義的な考え方を持っている場合が多い。一般に保守的、国家主義的な物語に愛着がある人々は同時に保守的な政治を応援する傾向があるという。本論の研究では、インタビューで集まったデータより対象としたサブカルチャーに影響を受けた日本の若者は戦争の英雄の過去の積極的なイメージを求めても保守的な政治を応援しない傾向があることが明らかになった。日本人として戦争歴史にプライドを持ち、その歴史を国民意識の要素として使い、戦争世代をロールモデルとして見上げる創作者もいる中で、現代の日本国家とその政治とは距離をおく。本論ではこの概念を「ノスタルジアのポップナショナリズム」と名付け論考する。
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第13187号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 教育学
Examination Committee Members: (主査) 教授 シートン・フィリップ, 講師 ゴダール・クリントン, 教授 サーラ・スヴェン (上智大学), 教授 須川 亜紀子 (横浜国立大学)
Degree Affiliation: 教育学院(教育学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/70733
Appears in Collections:学位論文 (Theses) > 博士 (教育学)
課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 教育学院(Graduate School of Education)

Export metadata:

OAI-PMH ( junii2 , jpcoar_1.0 )

MathJax is now OFF:


 

 - Hokkaido University