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簾舞試験地の流量と札幌苗畑での積雪下面融雪量の観測

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1986_1-6.pdf112.32 kBPDFView/Open
Please use this identifier to cite or link to this item:http://hdl.handle.net/2115/72790

Title: 簾舞試験地の流量と札幌苗畑での積雪下面融雪量の観測
Authors: 藤原, 滉一郎 Browse this author
Issue Date: Feb-1988
Publisher: 北海道大学演習林
Journal Title: 北海道大学演習林試験年報
Volume: 5
Start Page: 12
End Page: 13
Abstract: 1986年より標記の観測と、簾舞を主にして森林内の降水の化学成分の観測をはじめた。降水の化学成分については、その一部を日林北支論36号に報告したので、ここでは標記の観測の目的と方法についてのべる。これまでは準備期間で、1987年の冬期より3ケ年の観測を予定している。 このような一連の観測に着手した動機についてのべる。近年、森林の公益機能について、林業サイドでもまた非林業的サイドからも“緑”の問題の一部として多様な角度から論議されている。このような論議は、本来的には環境保全や林業の発展に有益な作用することであるが、実情は観念的・情念的要素を含み、林業サイドにも無益あるいは有害になっている。筆者は、森林には木材生産のほかに多くの機能があり、森林は総体として人間社会に欠くことのできない存在であると考えているが、森林のいわゆる公益的機能は、論議をつめると森林か砂漠かの話になるように現在の森林施業技術との対応をみると、木材生産体系以上に乖離している。そこで、森林機能の中でも最大の社会的な要請となっている水源涵養機能を、現実の森林施業技術とかみ合うレベルで解明することが必要であると考えた。 森林と水との関係は古くから研究され、現在の多くの研究者がとりくんでいるが、森林施業技術にとりいれられる考えも資料も少ない。最近、東教授が「渇水指標」の概念を提起し、精力的にデータを集積しているが、この観測も、その一部に含まれる。 森林には降り積った雪の風による移動を軽減し、また風で移動してきた雪を堆積する効果がある。このことは防雪林や森林内を積雪期に歩き廻ると実惑できることであるが、筆者等は、強風地帯の宗谷丘陵や中川演習林に隣接する大規模草地での積雪観測で明らかにした。 北海道でも積雪で覆われることにより土壌凍結が抑制され、土壌内の一部の層の乾燥化が小さく、さらに積雪下面の融雪が生じ、冬期でも融雪水が地中に浸透するだろうという仮説をたて、これを実証するための観測である。 この観測施設の設置・観測は、佐藤冬樹助手・奥谷技官・笹木技官をはじめ多くの方々の御協カのもとに行っている。ここに記して謝意を表する。
Type: bulletin (article)
URI: http://hdl.handle.net/2115/72790
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OAI-PMH ( junii2 , jpcoar_1.0 )

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