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地方小規模博物館と植生学

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Please use this identifier to cite or link to this item:http://hdl.handle.net/2115/76964

Title: 地方小規模博物館と植生学
Authors: 持田, 誠 Browse this author
Issue Date: Jun-2018
Publisher: 植生学会
Journal Title: 植生情報
Volume: 22
Start Page: 45
End Page: 51
Abstract:  私はこれまで,北海道大学総合博物館,小樽市総合博物館,帯広百年記念館,浦幌町立博物館と,徐々に規模を縮小する形で,博物館を渡り歩いて来た.しかし,いずれの博物館でも「植生学」を専門として勤務したことは無く,それぞれの所属館において任されている業務の一部として,植生の仕事も組み込んできたというのが実際のところである.  2015 年から勤務している浦幌町立博物館は,北海道の東部,帯広市と釧路市のちょうど中間に位置する東十勝の博物館で,これまで勤務したなかではもっとも小さな館である.浦幌町は人口四千人代後半.浦幌川の源流から河口までを包む1 町1 河川という町で,十勝地方の他市町村と流域を共有しておらず,十勝のなかでも飛び地的な位置にある.  建物は図書館,教育委員会庁舎と合同.学芸員は私ひとり……というよりも,着任してからの3 年間は,専従の職員自体が私しか配置されてこなかった.そもそも学芸員自体が約10 年ぶりの配置であり,永年,社会教育担当職員が公民館長や図書館長との兼務という形で施設を維持し,資料を管理してきた博物館である.  もともと浦幌町立博物館は,考古学の博物館であった.この博物館の英語名称はいまも「Historical Museum of Urahoto」である.実は浦幌町周辺は,十勝そして北海道にとって重要な埋蔵文化財が多数発掘された地域であり,そうした考古遺物を中心に資料を収集・保存・展示するための施設として,前身である浦幌町郷土博物館が建設された経緯がある.したがって,常設展示室も土器や石器が中心.収蔵庫や研究室の設備についても,もともと自然史系には対応しておらず,まともな顕微鏡1台ないという有様である.  こうした博物館であるから,学芸員としての仕事の割合も,植生学どころか植物分野の占める割合は相対的に低い.とは言え,私は植生学者こそが,博物館で植物分野の業務を担当する学芸員として,ふさわしいのではないかと考えてきた.その理由はかつて本誌に記したので詳細はここでは述べないが,いまも実感として抱いている(持田 2003).  本報では,現在勤務する浦幌町立博物館での仕事を中心に置きつつ,これまで勤務してきた博物館での経験も踏まえて,取り組んできた内容と見えてきた課題について紹介したい.
Rights: 本論文の著作権は植生学会に帰属しており,当ホームページからの複写はご遠慮ください.(許可番号:No.1035,掲載紙:植生情報22巻,許可者:植生学会)
Type: article
URI: http://hdl.handle.net/2115/76964
Appears in Collections:総合博物館 (The Hokkaido University Museum) > 雑誌発表論文等 (Peer-reviewed Journal Articles, etc)

Submitter: 持田 誠

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