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LED反射光を用いることによるスマートフォン屋内位置認識に関する研究
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Title: | LED反射光を用いることによるスマートフォン屋内位置認識に関する研究 |
Other Titles: | Smartphone Indoor Positioning using LED Reflection |
Authors: | 嶋田, 祥太 Browse this author |
Issue Date: | 25-Mar-2021 |
Publisher: | Hokkaido University |
Abstract: | LED 照明の床面反射光とスマートフォンカメラを用いた屋内位置認識手法を提案する.スマートフォンは近年普及している個人用携帯端末であり,これを用いた屋内位置認識技術の需要が増加している.しかし,いまだ標準的な測位技術は確立されておらず,電磁波,音,コンピュータビジョンなど様々な技術を活用した屋内測位手法が研究されている.中でも本研究では,高精度に測位可能な手法として可視光測位に注目する.可視光測位とは,照明光と受光素子を用いた情報伝達技術の一種である可視光通信を応用した位置認識技術である.メリットとして,人が利用する建造物には通常,照明が遍在しているため,測位インフラの整備が比較的容易であること,また,信号干渉が起きにくく,カメラを用いた幾何学的な計算により高精度に測位可能なこと,などが挙げられる.スマートフォンは一般的にカメラが内蔵されており,これを用いることで光信号を受信できる.
この背景によりスマートフォンカメラを用いた可視光測位が今日まで研究されてきたが,ほとんどの既存手法が持つ特徴として,LED 変調光などの光源,ランドマークをカメラで直接撮影し,幾何学的にターゲットの位置を計算する点がある.この特徴のメリットは,誤差数cm 単位の高精度な測位を実現できることだが,デメリットとして光源探索のために必要な解像度の高いスマートフォンカメラや計算時間など,要求リソースコストの高さや,インカメラの画角の限界により,LED の配置や天井高に制約があることなどが挙げられる.
そこで本研究では,この問題を回避しつつ,同程度の性能で測位可能な手法の実現を目的とし,床面反射光の撮影により測位するシステム,RefRec を提案する.RefRec では,床面反射光をカメラで撮影した画像を,LED からの距離に関係する新たな減衰モデル式に当てはめ,計算した複数のLED-撮影点間の距離から撮影画像の二次元座標を求める.そして,得られた複数の床面座標とカメラの幾何学的な位置関係から,スマートフォンの6 自由度を推定する.
提案手法はプロトタイプとしてLED とスマートフォンに実装され,計測実験にて提案モデルの妥当性を確認した.そして,撮影した床の二次元座標推定精度を調査し,90 パーセンタイル誤差0.42mであることを明らかにした.最後に,スマートフォンの6 自由度を推定し,(x, y, z) 座標について90パーセンタイルの絶対誤差は0.2073m、0.1713m、0.002464m,ピッチ,ロール,ヨー角についてそれぞれ5.78◦,5.69◦,3.96◦ という結果が得られた.実験結果に対する考察によって,誤差の要因として,床面の反射率,カメラの角度,人などによる影が強く影響することを議論する.得られた結果を先行研究と比較し,障害物がない環境にて,十分な密度のLED 配置や天井の高さが確保できない場合においても高い性能を維持できることを特徴として述べる.そして今後の取り組みとして,導出したLED-カメラ間モデルを活用した可視光通信手法や障害のある環境における提案手法の適用について言及する. |
Conffering University: | 北海道大学 |
Degree Report Number: | 甲第14582号 |
Degree Level: | 博士 |
Degree Discipline: | 情報科学 |
Examination Committee Members: | (主査) 教授 杉本 雅則, 教授 田中 章, 教授 工藤 峰一, 教授 今井 英幸 |
Degree Affiliation: | 情報科学研究科(情報理工学専攻) |
Type: | theses (doctoral) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/81257 |
Appears in Collections: | 学位論文 (Theses) > 博士 (情報科学) 課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 情報科学院(Graduate School of Information Science and Technology)
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