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A Study on Emoticon Recommendation System Considering the Content of Text Messages

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k14593
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Title: A Study on Emoticon Recommendation System Considering the Content of Text Messages
Other Titles: テキストメッセージの内容に対して適切な顔文字を推薦する顔文字推薦システムに関する研究
Authors: 卜部, 有記 Browse this author
Issue Date: 25-Mar-2021
Publisher: Hokkaido University
Abstract:  近年,インターネット上ではTwitter やFacebook などのソーシャルメディア上でテキストベースのコミュニケーションが活発である.テキストによるコミュニケーションは,相手の顔が見えないことから気持ちや意図の伝達が困難である.このことからユーザは,顔文字(「(・▽・)」)をテキストメッセージ(以下,「メッセージ」は「テキストメッセージ」を指す)中に挿入することで相手に気持ちや意図を明確に伝える傾向にある.しかし,市中の顔文字入力アプリでは100 万種類,また,iOS やAndroid の日本語キーボード上では約300 種類以上の顔文字が存在するため,ユーザのメッセージの内容に沿って適切な顔文字を登録されている顔文字の中から探し出して挿入することは困難である.現状は,過去に使用した顔文字を容易に見つけられるように提示する以外の支援はなく,ユーザのメッセージの内容を考慮して適切な顔文字を提示する支援は行われていない.そのため,ユーザは使用したことのない顔文字を挿入したい場合は,顔文字を探さなければならない.メッセージ中の顔文字の使われ方に関する研究では,メッセージ中の顔文字の役割は,感情の強調や感情の明確化であることが明らかにされている.また,顔文字自体が表す感情表現に着目して顔文字がどの感情をどの程度表すかという観点から顔文字データベースを構築する方法が過去に提案された.他にも,メッセージの内容に対して適切な顔文字を自動的に挿入あるいは推薦することを目的とした研究がある.具体的には,感情を表す単語(以下、「感情語」とする)と顔文字を対応づけた辞書を用意し,メッセージ中に感情語が存在する場合に対応づけられた顔文字を自動的に挿入するという手法がある.また,メッセージ中の単語の特徴から感情,コミュニケーション,動作などのカテゴリを予測し,予測したカテゴリにおいて利用頻度の高い顔文字を提示するという手法が過去に提案された.しかし,1 つ目の手法に関しては,顔文字は同一の感情を表すものが多様に存在することからメッセージが表す感情に合わせて毎回同じ顔文字が挿入されるとは限らず,多様な顔文字が挿入される可能性がある.そのため,メッセージが表す感情に対して特定の顔文字しか挿入できない手法はユーザにとって不十分だと考えられる.また,2 つ目の手法に関しては,各カテゴリにおける顔文字の使用傾向およびメッセージがどのカテゴリに該当するかをアノテーションしたコーパスを作成する手間がかかる.加えて,これら2 つの手法は,ユーザの好みについては考慮していないため,メッセージの内容に対応した顔文字は推薦できるが,それがユーザの好みに適合した顔文字であるとは限らない.私は,まず前述の2 つの手法に対して述べた問題を解決するため,メッセージ中の感情表現に基づいて感情タイプを予測し,予測結果を用いて顔文字の感情強度とユーザの顔文字の選択履歴に基づいて適切な順番に顔文字を推薦する手法を提案した.この手法により,メッセージの内容とユーザの好みを考慮して顔文字を推薦することが可能となる.次に,前述の既存手法はメッセージ中に感情表現など特徴的な単語が存在しない場合は顔文字を推薦できないことに着目した.そして,メッセージ中に感情表現を含まない場合においても適切に顔文字を推薦するために,インターネット上の自然言語文を学習した事前学習済みモデルを利用して,メッセージと一緒に挿入された顔文字を学習することで表層的には表れないメッセージの内容を全体的に考慮して顔文字を推薦する手法を提案した.本学位論文は5 章からなる.第1 章では本学位論文の背景と目的,そして本研究による貢献を述べる.第2 章では,顔文字のテキストメッセージ中の役割や顔文字挿入支援手法,さらに絵文字にも着目して広く関連研究を述べる.第3 章では,1 つ目の提案手法である,メッセージ中の感情表現と一致する感情の強度順,およびユーザの選択履歴に基づいて顔文字を推薦する顔文字推薦システム(EBReS-η:Emoticon-rioritized History-Based Emoticon Recommendation System)について述べる.提案システムを実現するにあたり,59 個の各顔文字に対して10 種類の感情の強度を人手により評価を行い,顔文字と感情強度によるデータベースを作成した.提案システムの評価は,ユーザ実験を通じて行った.また,提案手法の有効性を明らかにするために,iOS で利用されている選択履歴による方法と提案手法とを比較することにより評価した.評価の結果,提案手法の方が既存手法よりもユーザが5 位以内に提示された顔文字の中から選択した割合が42.3 ポイント高いことが明らかとなり,本手法の有効性が確認できた.また,SD(Semantic Differential)法によりユーザによる各手法への印象(使いやすさ,便利さ,など)を評価したところ,提案手法の方が平均1.30 ポイント高いことが確認でき,ユーザのシステムに対する印象が既存手法よりも良いことが明らかとなった.本論文には,上位に提示した顔文字が選択されなかった事例について原因分析を行った結果も示す.第4 章では,2 つ目の提案手法として,メッセージ中に感情表現を含まない場合においても,日本語文の事前学習済みモデルを利用してメッセージと顔文字の使われ方を学習することにより,メッセージの全体内容に対して適切な顔文字を推薦するシステム(Deep-ERS:Deep-Emoticon Recommendation System)について述べる.提案システムの評価は,第3 章で述べた既存手法,および従来の機械学習手法に用いられてきたメッセージの表層情報を特徴量として学習する方法を用いて顔文字の提示順位の比較を行った.テキストメッセージと167 種類の顔文字のどれか1 つを含む,合計37,622 件のテストデータ(テキストメッセージと顔文字のセット)を用いて評価した結果,提案手法の方が既存手法よりも正解の顔文字が25 位以内に出現した割合が最大で23.5 ポイント高いことが確認でき,本手法の有効性を明らかにした.本論文には,成功事例の他,正解の顔文字が上位に提示されなかったケースを抽出して原因分析を行った結果も示す.最後に第5 章では,本研究を総括し結論を述べた.本研究により,メッセージ中の感情表現に対して顔文字の感情強度とユーザの選択履歴に基づいて顔文字を推薦することで,メッセージの内容かつユーザの好みに合った顔文字の提示を実現した.さらに,メッセージ中に感情表現が存在しない場合も事前学習済みモデルを利用してメッセージと顔文字の使われ方の特徴を学習して顔文字を推薦することでメッセージ中の感情表現の有無に関わらずに適切な顔文字を提示することを可能にした.
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第14593号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 情報科学
Examination Committee Members: (主査) 教授 荒木 健治, 教授 坂本 雄児, 教授 長谷山 美紀, 教授 土橋 宜典, 准教授 伊藤 敏彦
Degree Affiliation: 情報科学研究科(メディアネットワーク専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/81464
Appears in Collections:課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 情報科学院(Graduate School of Information Science and Technology)
学位論文 (Theses) > 博士 (情報科学)

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