HUSCAP logo Hokkaido Univ. logo

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers >
Theses >
博士 (歯学) >

睡眠時ブラキシズム患者の臨床所見 : 顎関節症患者および睡眠時無呼吸症候群患者との比較

Files in This Item:
Issei_Kimura.pdf1.25 MBPDFView/Open
Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k14991
Related Items in HUSCAP:

Title: 睡眠時ブラキシズム患者の臨床所見 : 顎関節症患者および睡眠時無呼吸症候群患者との比較
Other Titles: Clinical findings of patients with sleep bruxism : Comparison with patients with temporomandibular disorders and patients with sleep apnea syndrome
Authors: 木村, 一誠 Browse this author
Keywords: ブラキシズム
顎関節症
睡眠時無呼吸症候群
ICSD3
咬耗
Issue Date: 24-Mar-2022
Publisher: Hokkaido University
Abstract: 睡眠時ブラキシズム(SB)の臨床診断には,歯ぎしり音の指摘,歯の咬耗,起床時の顎関節や筋肉の異常の各臨床所見の組み合わせからなる SB の臨床診断基準(International Classification of Sleep Disorders:ICSD3)が設定されている.これらの所見は,SB との関連が疑われている顎関節症(TMD)や,同じ睡眠関連疾患である睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の診察項目でもあり,各種所見は個々の診断における交絡因子として働いている可能性もある.SB,TMD,OSAS の関連性については,明確な結論が出ていないこと,そして,結論が出ていない背景には,直接的でない,何らかの交絡因子の介在が関係している可能性があるというのが現状である.本研究は SB,TMD,OSAS の患者群の各種臨床所見を蓄積し,それらを比較することによって,SB に特徴的な臨床症状をより明確にすることを目的とした.対象は SB 診断群 115 人,TMD 診断群 90 人,OSAS 診断群 89 人で,診断が重複したものは,SB と TMD が 33 人,SB と OSAS が 28 人,TMD と OSAS が 1 人であった.外来での診察,検査により得られた所見から,14 項目の問診事項(家族からの SB の指摘,歯科医からの SB の指摘,歯ぎしり音の自覚,睡眠時のくいしばりの自覚,起床時の顎のだるさ,起床時の顎の痛み,起床時の歯の痛み,起床時の頭痛,日中の頭痛,日中のくいしばり,昼間の眠気,熟睡感,ストレスの自覚,生活環境の変化),および 3 項目の臨床所見(咬耗,顎関節・咀嚼筋の圧痛,粘膜の歯圧痕),年齢,性別について調査し,3 つの診断群間での比較,および,SB 診断の有無,歯科医による歯ぎしりの指摘の有無,TMD 診断の有無,OSAS 診断の有無を目的変数とする二項ロジスティック回帰分析を行った.その結果,SB 診断の有無には,家族からの指摘,歯ぎしり音の自覚,起床時の顎のだるさ,咬耗,性別(女性)が有意な関連性を示した.TMD の臨床診断に対しては,起床時の頭痛,熟睡感,顎関節・咀嚼筋の圧痛,性別(女性),OSASの有無が有意な関連性を示した.ただし,起床時の頭痛,熟睡感,OSAS の有無は TMD 診断のマイナス要因であった.SB に関連のある臨床所見は,やはり ICSD3で用いられている項目と合致はしていることが示されたが,これらの関連のオッズ比には大小があり,咬耗の関連性は小さめなことが示された.また,ストレスと SB の関連性は明確には示されなかった.歯科医による歯ぎしりの指摘の有無には,ICSD3 の基準で用いられている臨床所見の項目は有意な関連性を示さなかった.OSAS の臨床診断に対しては,歯科医からの SB の指摘,起床時の顎のだるさ,起床時の顎の痛み,日中のくいしばり,昼間の眠気,ストレスの自覚,顎関節・咀嚼筋の圧痛および年齢,性別(男性)が有意な関連性を示した.ただし,歯科医からの指摘,起床時の顎のだるさ,起床時の顎の痛み,日中のくいしばり,ストレスの自覚,顎関節・咀嚼筋の圧痛は何れもマイナスの要因であった.調査項目の 3 群間での比較では,各群間で有意差を示さなかった項目は少なくなかったが,ロジスティック回帰分析の結果では,SB 診断群,TMD 診断群,OSAS 診断群各々の診断に共通で関連性を示したのは,SB と TMD の性別(女性)のみであった.しかも,SB と TMD における女性の割合の間には有意差があり,共通性が高い臨床所見とは言えなかった.そのため,SB の診断については,TMD や OSASの診断結果とは独立して取り扱うのが妥当と考えられた.
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第14991号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 歯学
Examination Committee Members: (主査) 教授 山口 泰彦, 教授 横山 敦郎, 教授 舩橋 誠
Degree Affiliation: 歯学院(口腔医学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/87693
Appears in Collections:課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 歯学院(Graduate School of Dental Medicine)
学位論文 (Theses) > 博士 (歯学)

Export metadata:

OAI-PMH ( junii2 , jpcoar_1.0 )

MathJax is now OFF:


 

 - Hokkaido University