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口腔扁平上皮癌における高内皮細静脈と臨床的因子との関連

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k15025
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Title: 口腔扁平上皮癌における高内皮細静脈と臨床的因子との関連
Authors: 新山, 宗 Browse this author
Issue Date: 24-Mar-2022
Publisher: Hokkaido University
Abstract: 口腔扁平上皮癌は, 口腔を原発とする悪性腫瘍の 90%を占め,その中で約 60%が舌癌とされる. 舌癌の臨床予後を規定する最も重要な因子の一つに頸部リンパ節転移があるが,頸部リンパ節転移の予測因子についてはいまだ決定的なものはなく,新たな予後予測因子が必要とされている. 近年, 手術療法,化学療法,放射線療法に次ぐ第四のがん治療法として, 免疫療法が確立され, がん細胞のみならず, それらを取り巻くがん微小環境が注目されている. リンパ球のがん部への遊走を調整する特殊な血管として高内皮細静脈High Endothelial Venule (HEV)が知られている. HEV はリンパ節や小腸のパイエル板など, 二次リンパ組織に存在することが知られており,がん組織中に存在する HEV が生命予後に関連することが複数の癌種で報告されている. しかし,口腔扁平上皮癌組織におけるHEV の機能についてはほとんど報告がない.本研究では,口腔癌における HEV と臨床的意義について明らかにすることとした.北海道大学病院口腔診断内科,口腔顎顔面外科, 北海道がんセンター口腔腫瘍外科において初回治療として手術が行われた舌扁平上皮癌症例を対象とした. 舌扁平上皮癌組織を用いて,HEV の数・局在,HEV 周囲の CD8 陽性細胞の数・局在,三次リンパ様構造(TLS)形成の有無について評価し,各臨床病理学的因子との関係について解析した. その結果,HEV が多い症例では臨床的予後が良好であることが示された. また,腫瘍辺縁部に HEV が限局している症例は臨床的予後が良好であることが示された. HEV 周囲の CD8陽性細胞の数と臨床的予後には有意な差が認められなかったが,CD8 陽性細胞が腫瘍辺縁部に限局して浸潤する症例では, 臨床的予後が良好であることが示された. TLS 形成症例は HEV の数が有意に多かったが,TLS 形成と臨床的予後に相関は認められなかった.本研究により, 口腔扁平上皮癌において HEV 及び CD8 陽性細胞の局在が予後に関与することが示され,予後予測因子として有用であることが示唆された.
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第15025号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 歯学
Examination Committee Members: (主査) 教授 樋田 京子, 教授 北川 善政, 准教授 大廣 洋一
Degree Affiliation: 歯学院(口腔医学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/89303
Appears in Collections:課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 歯学院(Graduate School of Dental Medicine)
学位論文 (Theses) > 博士 (歯学)

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