Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers >
Theses >
博士 (獣医学) >
Genetic analysis of phenotypes caused by deficiency in the development of neural crest-derived cells in the rat
Files in This Item:
|
|
Related Items in HUSCAP:
|
Title: | Genetic analysis of phenotypes caused by deficiency in the development of neural crest-derived cells in the rat |
Other Titles: | ラットにおける神経堤細胞由来細胞の発達の欠陥によりもたらされる表現型の遺伝学的解析 |
Authors: | 王, 金曦1 Browse this author |
Authors(alt): | Wang, Jinxi1 |
Issue Date: | 25-Sep-2019 |
Publisher: | Hokkaido University |
Abstract: | 神経堤細胞は脊椎動物の胚発生において最も重要な細胞系列の一つである。様々な神経堤細胞由来細胞の発達に作用する複雑な遺伝子制御ネットワークの発見がなされている。本研究では、ラットを用い、神経堤細胞由来の二つの細胞系列、腸管神経システムとメラノサイトの発達について遺伝学的解析を行った。
第1章では、エンドセリンレセプタータイプB(Ednrb)遺伝子のヌル変異によって引き起こされる重症の腸管神経節欠損症を示す新規のラットモデルの樹立を試みた。この目的のためにGKラットが選択された。その理由は、GKラットはEdnrb遺伝子のヌル変異を持った時に重症の腸管神経節欠損症を示す原因とされる第2染色体の特定部位において、同じくEdnrb遺伝子のヌル変異を持った時に最も重症の腸管神経節欠損症を呈するAGHラットと同様のハプロタイプを持っているためである。しかしながらGKラットにEdnrb遺伝子のヌル変異を導入すると胎生致死を呈することがわかった。この結果はEdnrb遺伝子が第2染色体の特定部位に存在する遺伝子と相互作用し、この相互作用が腸管神経システムの発達だけでなく胚の発生にも重要な役割を演じていることを示唆している。この研究結果は、腸管神経システムの発達と胚発生における遺伝子制御ネットワークの研究を更に深める有用なラットモデルとなるであろう。
第2章では、メラノサイトの発達に影響を与える修飾因子についてQTL解析を用いて研究を行なった。この解析においてはLEAラットとF344ラットが用いられた。両系統ともKit遺伝子に同じ変異を有し、その結果被毛色は頭巾斑を呈するが、両系統間で異なる有色被毛率を示す。QTL解析の結果、第17染色体のD17Rat2マイクロサテライト近傍に頭巾斑を修飾する責任遺伝子座(QTL)が存在することが同定された。この結果は、このQTLを含むゲノム領域がLEAハプロタイプの時にはKit遺伝子の変異によるメラノサイトの発達不全がレスキューされることを示唆しており、メラノサイトの発達を研究する上で新しい手がかりを提供している。
これら二つの研究結果は、胚発生時の神経堤細胞由来細胞の役割とその発達における遺伝子制御ネットワークの解明に貢献することが期待される。 |
Conffering University: | 北海道大学 |
Degree Report Number: | 甲第13726号 |
Degree Level: | 博士 |
Degree Discipline: | 獣医学 |
Examination Committee Members: | (主査) 教授 安居院 髙志, 教授 昆 泰寛, 教授 木村 和弘, 准教授 岡松 優子 |
Degree Affiliation: | 獣医学研究科(獣医学専攻) |
Type: | theses (doctoral) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/90300 |
Appears in Collections: | 課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 獣医学院(Graduate School of Veterinary Medicine) 学位論文 (Theses) > 博士 (獣医学)
|
|