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メタクリル酸エステル系接着性シーラーの封鎖性と生体親和性に及ぼす水の影響

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k15016
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Title: メタクリル酸エステル系接着性シーラーの封鎖性と生体親和性に及ぼす水の影響
Authors: 鈴木, 魁 Browse this author
Issue Date: 24-Mar-2022
Publisher: Hokkaido University
Abstract: 側枝やフィン,イスムスなど狭い間隙部を封鎖するにはシーラーが重要な役割を担っているが,それらの部位にはペーパーポイントが到達しないため乾燥することが困難で,水が残留している場合が多く,現在使用されているシーラーでは,水が混和すると硬化や接着が阻害されるため封鎖性が低下すると考えられる.しかし,4-methacryloxyethyl trimellitateanhydrideと2-hydroxyethylmethacrylate,水を主成分としているメタクリル酸エステル系シーラー(メタシールSoftペースト,以下MSSP)は,ある程度の量の水が混和しても硬化や接着が期待される.そこで本研究では,水を混和した場合や湿潤状態にある象牙質面へのシーラーの封鎖性,および水を混和した場合の生体親和性への影響を評価した.MSSPに蒸留水を体積比で1:0または1:1で混和し,溶解率と重合率を計測した.次に,MSSP,AH PlusR,キャナルスNを用い,シーラー:蒸留水を質量比で1:0,1:0.1,1:0.2,1:0.3で混和し,牛歯から作製した象牙質ブロックに塗布,硬化後に色素浸入試験を行った.また,同様の方法で,表面を水で浸潤させた象牙質ブロックに,水を混和していない各シーラーを塗布して色素浸入試験を行った.さらに,水を混和したシーラーをラット皮下結合組織に埋入し,病理組織学的に炎症状態を評価した.その結果,MSSPは水の混和率が1:1でも溶解率や重合率に変化はなかった.また,水を混和したシーラーの色素浸入率は,MSSPでは大きな影響がみられなかったが,AH PlusRやキャナルスNは水の混入率が1:0.2になると色素浸入量が大きくなり,MSSPに対して有意に色素浸入率が高くなった(p=0.035).さらに,MSSPは象牙質面上の水の有無で色素浸入率に大きな影響はなかったが,AH PlusRおよびキャナルスNに比較して有意(p<0.001)に色素浸入率が低かった.一方,MSSPは水を混和して練和直後に移植した場合でも炎症はほとんど見られなかったが,AH PlusRやキャナルスNは強い炎症みられ,MSSPは他の2群に対して有意(p<0.001)に炎症が少なかった.以上の結果から,MSSPは水が混和しても重合率が低下せず象牙質への封鎖性に影響がほとんどなく,湿潤状態の象牙質に対しても高い封鎖性が得られるとともに,水が混和しても高い生体親和性があることが明らかになった.
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第15016号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 歯学
Examination Committee Members: (主査) 教授 菅谷 勉, 教授 佐野 英彦, 教授 吉田 靖弘
Degree Affiliation: 歯学院(口腔医学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/90425
Appears in Collections:課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 歯学院(Graduate School of Dental Medicine)
学位論文 (Theses) > 博士 (歯学)

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