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近赤外線光免疫療法による腫瘍微小環境変化の病理組織学的解析
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Title: | 近赤外線光免疫療法による腫瘍微小環境変化の病理組織学的解析 |
Authors: | 千田, 健博 Browse this author |
Issue Date: | 23-Mar-2023 |
Publisher: | Hokkaido University |
Abstract: | 日本人の最大死因であるがんに対する治療は手術・化学療法・放射線治療の3つを主軸として行われてきた。これらの治療法では様々な副作用や治療に伴う合併症が報告されており、重篤な副作用や合併症から死に至るケースも少なくない。そのため、正常細胞には影響を与えず、がん細胞のみを破壊する新しい治療法の開発が望まれている。現在、がんの新たな治療法として期待されている近赤外線光免疫療法(NIR-PIT)の臨床研究が進行している。NIR-PITは、光吸収体(IR700)をがん細胞と特異的に結合する抗体に結合させた複合体を患者の体内に静注し、近赤外線光を照射することでがん細胞を破壊する治療法である。臨床試験によりNIR-PITの一定の治療効果が確認されているが、NIR-PITによる腫瘍微小環境への影響を病理組織学的に解明した報告は未だない。そこで我々はNIR-PITによる腫瘍微小環境の変化を組織学的に解析することで、治療効果の機序を解明し、より効果的なNIR-PITの治療法の開発の一助となることを目的とし、研究を行った。EGFRを発現するヒト舌扁平上皮癌SAS皮下移植マウスに光感受性物質IR700結合EGFR抗体を投与し、近赤外線光を照射した。照射後腫瘍を摘出し、HE染色、免疫組織化学染色(IHC)を実施し、NIR-PITによる治療効果を病理組織学的に解析した。近赤外線光照射後24時間以内には腫瘍全体の体積の縮小はみられなかったが、組織学的には腫瘍内部の壊死領域の拡大を認めた。NIR-PITによりがん細胞は細胞膜のEGFR発現の低下や核の消失などの形態学的変化を示した。またNIR-PITにより腫瘍血管面積の増大や腫瘍血管内腔の拡張が認められた。さらにNIR-PITにより、拡張血管周囲にマクロファージが集積することが示された。以上の結果から、NIR-PIT照射後早期に血管腔の拡張を伴うマクロファージ動員増大などの腫瘍微小環境の変化が生じることが示された。 |
Conffering University: | 北海道大学 |
Degree Report Number: | 甲第15505号 |
Degree Level: | 博士 |
Degree Discipline: | 歯学 |
Examination Committee Members: | (主査) 教授 樋田 京子, 教授 北川 善政, 教授 大廣 洋一 |
Degree Affiliation: | 歯学院(口腔医学専攻) |
Type: | theses (doctoral) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/91625 |
Appears in Collections: | 課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 歯学院(Graduate School of Dental Medicine) 学位論文 (Theses) > 博士 (歯学)
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