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機械学習を用いた超音波通信システムに関する研究

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k16011
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Title: 機械学習を用いた超音波通信システムに関する研究
Other Titles: A study on ultrasonic signals communication systems using machine learning
Authors: 尾関, 剛成 Browse this author
Issue Date: 25-Mar-2024
Publisher: Hokkaido University
Abstract: 近年,スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末の普及が進み,さまざまな場所で簡単に情報にアクセスできる時代になってきた.しかし,デファクトスタンダードとして利用されている電波通信は,技術の進歩に伴うアップデートが継続的に行われており,非対応の端末が混在する問題が避けられないことや,水中や地下,金属構造の建物内などの非電波透過環境や病院・工場などの電波通信の使用が制限される環境では通信が困難になることから,社会インフラとしての運用には発展途上の課題が残されている.他方,こうした隙間をカバーする通信方式として期待されているのが音波通信である.音波通信は,空気の振動により情報を送受信するため,水中などの電波が届かない範囲でも通信を行うことができる.超カバレッジ拡張を目的とした第 6 世代移動通信システムの展開を想定すると,音波通信技術の発展は情報社会にとって,非常に大きい影響力を有することが考えられる.また,音波通信は,マイクやスピーカなどの音声入出力機能を利用するだけで実現できるため,店内に設置されているスピーカや家庭用テレビから発信される音響に情報を埋め込むだけで通信が利用でき,導入コストが低いことも特徴の一つである.一方,音波通信は,電波通信と比べると環境雑音や反響音,残響音,ドップラー効果などの外乱により音波信号が歪みやすく,情報識別・信号同期に誤りが生じやすいことが問題になっている.これらの課題に対する改善策として,雑音や周波数シフトに応じて処理を調整する方法や音量を増加させて信号を送信する方法が考えられるが,環境に適応した調整は手間であることや人体への影響を懸念すると現実的ではない.こうした問題に対する解決方策として,本研究では,機械学習に基づく最新の情報識別技術に着目した.機械学習により設計された識別器は,外乱によって劣化した情報に対しても高い識別性能を示すことが報告されており,画像認識問題や文字認識問題,音響分離問題等広い分野にて適用されている.本研究では,非可聴域である高周波帯域に情報を埋め込み,白色雑音と周波数シフトにより劣化した音波信号をシミュレーションし,CNN,RNN,CRNN による機械学習モデルを用いて外乱下から音波信号の同期処理および音波信号にかかる周波数シフトの値を予測する識別器を設計し,その有効性を示す.機械学習では,音波信号を時間と周波数の情報を 2 次元の画像として表現するスペクトログラムを学習データとして用い,スペクトログラムのパターン情報から音波信号の特徴を抽出するように設計し,雑音環境下および周波数シフト発生時における音波信号の BERの識別精度の性能評価を行った.結果,従来のバンドパスフィルタ処理を用いる超音波通信システムでは,BER=0%を示す音波信号であっても,25Hz 以上の周波数シフトが発生すると BER は 20.82%を上回り,信号識別の精度が大きく低下する.一方,CRNN を用いた機械学習モデルは,入力されたスペクトログラムから音波信号に含まれる周波数シフトの値を予測することにより,SNR= 6dB 以上の環境下において,50Hz の周波数シフトが発生しても BER=0%を示した.本研究で提案する機械学習を用いた識別器は,従来の超音波通信システムで対応が困難であった周波数シフトの影響を最小限に抑え,高い識別精度が得られることを明らかにし,その有効性を示した.また,基礎研究にとどまらず,実際にサービスを展開している企業と連携し,産業応用という出口を確保しながら研究を推進していることが本研究の特色のひとつになっている.
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第16011号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 情報科学
Examination Committee Members: (主査) 教授 土橋 宜典, 教授 長谷山 美紀, 特任教授 荒木 健治, 特任教授 坂本 雄児
Degree Affiliation: 情報科学院(情報科学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/92316
Appears in Collections:学位論文 (Theses) > 博士 (情報科学)
課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 情報科学院(Graduate School of Information Science and Technology)

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