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Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers > 吉澤和徳准教授がイグ・ノーベル賞受賞
農学研究院の吉澤和徳准教授が、チャタテムシの一属の交尾器がオスとメスで逆転していることを発見した功績で、2017年のイグ・ノーベル賞を受賞しました。
吉澤准教授の経歴など 吉澤准教授の研究内容など 吉澤准教授の論文一覧 イグ・ノーベル賞受賞の吉澤和徳さん、上村佳孝さんらのビデオメッセージ 巨人の肩の上で見つけたイグノーベル賞 〜受賞者、吉澤和徳さんに聞く Q. 今回受賞された論文はどういった内容のものですか。 簡単に言うと、ペニスは普通オスに備わるのですが、トリカヘチャタテではメスに挿入器として機能するペニスがついている、ということを明らかにしたものです。 トリカヘチャタテのメスにペニスのような突起があるということは、 2010年に既に共著者のリーンハード氏によって発見されていましたが、 その突起が挿入器の役割を果たしていることを明らかにしたのがこの論文です。 トリカヘチャタテの場合はオスとメスに働く進化の力が逆転しているらしい、という考察を書きました。 Q. この研究をはじめたきっかけは何ですか?また、研究の魅力を教えてください。 前述のように、論文の共著者のリーンハード氏が2010年にトリカヘチャタテの突起の存在を明らかにしました。 私はチャタテムシの分類を行ってきたのですが、他の昆虫も含め,形を細かく見る研究が好きでした。 ジュネーブの博物館でトリカヘチャタテの標本をみて、雌の突起が単に挿入器として機能するだけではなく、 それを使ってオスを把握するような機能を持つであろうことがわかりました。 そこでスイスでリーンハード氏と議論し、僕がその研究を主導することになりました。 オスとメスに働く進化の力の逆転が、交尾器の機能の逆転までもたらしてしまったところが特に興味深いです。。 Q. 今後の研究活動について教えてください。 チャタテムシの分類や体の構造など従来の研究を続けてゆきたいですが、 もともと交尾器進化はメインテーマでは無いのですが,トリカヘチャタテは特に面白いテーマなので継続してゆきたいと思います。 オスメス間で働く進化の力が逆転している生物はほかにも沢山いますが、交尾器の逆転が起こっている生物は初めてです。 なぜこの虫だけメスに挿入器が進化し得たのか、今後も調査を進めてゆきたいです。 Q. HUSCAPの読者へ向けてひとことメッセージをお願いいたします。 今回の論文を楽しんで読んで欲しいですね。 HUSCAPについては、こちらが忘れていても連絡をくれて論文をアップロードしてくれたり、 個人的に出しているチャタテムシ専門のニューズレターもアップロードしてくれて 大変助かっています。 吉澤 和徳(北海道大学農学研究院 基盤研究部門 生物資源科学分野 准教授) 研究分野 :基礎生物学 / 生物多様性・分類 研究テーマ:チャタテムシの体系学的研究・チャタテムシ,アザミウマ,半翅類の高次系統と形態進化・昆虫の機能形態学・シラミの起原の解明・準新翅類のミトコンドリア DNA の進化・シラミの形態進化・シラミの体系学的研究・系統推定の方法論 Researchmap:http://researchmap.jp/read0074129/ HUSCAPに載っている吉澤和徳准教授の論文一覧
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