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フッ素によるアルミニウムに依存したNa,K-ATPase活性の抑制
Title: | フッ素によるアルミニウムに依存したNa,K-ATPase活性の抑制 |
Other Titles: | Aluminium-dependent inhibition of Na,K-ATPase activity by fluoride |
Authors: | 石川, 一郎1 Browse this author | 出山, 義昭2 Browse this author →KAKEN DB | 吉村, 善隆3 Browse this author →KAKEN DB | 鈴木, 邦明4 Browse this author →KAKEN DB |
Authors(alt): | Ishikawa, Ichirou1 | Deyama, Yoshiaki2 | Yoshimura, Yoshitaka3 | Suzuki, Kuniaki4 |
Keywords: | Na, K-ATPase | フッ素 | アルミニウム | 酵素活性阻害 |
Issue Date: | 15-Dec-2010 |
Publisher: | 北海道歯学会 |
Journal Title: | 北海道歯学雑誌 |
Journal Title(alt): | Hokkaido journal of dental science |
Volume: | 31 |
Issue: | 2 |
Start Page: | 44 |
End Page: | 51 |
Abstract: | う蝕予防に使用されるフッ化物はその毒性が問題とされるが,急性毒性の機構に関しては不明な点が多い.そこで,動物細胞に普遍的に存在して細胞機能の調節に関与するNa,K-ATPaseに対するフッ素(F)の作用を検討した.材料にはブタ腎臓のミクロソームと精製したNa,K-ATPaseを用いて,種々条件下でのATPase活性に対するNaF及びKFの作用を調べた. 1. NaFはNa+とK+存在下のNa,K-ATPase活性を抑制したがK+非存在下のNa-ATPase活性を制御しなかった. 2. NaFとKFはNa,K-ATPase活性を濃度に依存して抑制し,50%阻害濃度(Ki0.5)は約1.4mMであった.0.25mMF存在下での活性抑制は約10%であり,2.5mMではほぼ完全に抑制された.FによるKi0.5はアルミニウム(A1)存在下でA1の濃度に依存して減少し,A1のキレーターであるdeferoxamine存在下では増加した. 3. 2.5mMのNaFあるいはKF存在下でプリインキュベーションした後に10倍に希釈してからNa,K-ATPase活性を測定すると約50%のNa,K-ATPase活性が不可逆的に抑制されたが,deferoxamine存在下では活性は抑制されなかった. 4. 7.5μM以上のA1が共存すると2.5mMF存在下の活性はほぼ不可逆的に抑制された.この抑制にはマグネシウム,カルシウム,マンガンなどの2価金属イオンの共存が必要であった.リンはFによる不可逆的な抑制に影響を与えなかった.以上の結果は,FによるNa,K-ATPase活性阻害にはA1と2価金属イオンが必要であり,FとA1の複合体は2価金属存在下でNa,K-ATPaseに不可逆的に結合して,ATPase活性を阻害することを示唆する. |
Type: | article |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/45798 |
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