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ハイデガーのロゴス論Ⅰ : 『存在と時間』序論第7節におけるロゴスの定義をめぐって
Title: | ハイデガーのロゴス論Ⅰ : 『存在と時間』序論第7節におけるロゴスの定義をめぐって |
Other Titles: | Heideggers Gedanken u uber Logos |
Authors: | 多田, 圭介1 Browse this author |
Authors(alt): | Tada, Keisuke1 |
Keywords: | ハイデガー | ロゴス論 |
Issue Date: | 26-Dec-2012 |
Publisher: | 北海道大学大学院文学研究科 |
Journal Title: | 研究論集 |
Journal Title(alt): | Research Journal of Graduate Students of Letters |
Volume: | 12 |
Start Page: | 1(左) |
End Page: | 29(左) |
Abstract: | 本稿は,M.ハイデガー(1889-1976)の主著『存在と時間』(1927)の思想
を,「ロゴス」という観点から捉えなおした全6章からなる論文の第1章であ
る。
全6章を貫く主題は,『存在と時間』の体系構想を,アリストテレスの『ニ
コマコス倫理学』第6巻における「魂のロゴスを持つ5つの部分」の解釈と
して読むことにある。この問題意識から『存在と時間』を解釈した先行研究
としては,ヴォルピやキシールなど,複数が挙げられる。それらと本稿の立
場を分かつポイントは以下である。まず第一には,『存在と時間』という書物
の主導的目的を明らかにすること,第二には,その目的に鑑みて,1944年夏
学期講義における「ロゴス論」までを,その目的を完遂するために『存在と
時間』の立場を維持しようとしたものとして再検討することにある。それで
は,『存在と時間』の主導的目的とは何か。一言で述べるなら,哲学的根本諸
概念としての「ウーシア」の根底に「恒常的現前性」という時間様態を見出
すこと,さらに,それを非本来的時熟に基づくものとして「解体」し,それ
を統べる本来的時間の動性を語ろうとしたこと。このように言えるだろう。
以上が全6章の概要である。本稿では,その内の第1章として,上記の議
論の遂行に礎石を据えるために,『存在と時間』の「方法論」を提示する。こ
とに,「方法節」とも呼ばれる『存在と時間』序論第7節を検討する。第7節
では,「現象学」という概念が,「現象」と「学(ロゴス)」とに分けられ,そ
の方法的役割から個別に定義される。本稿の主題が「ロゴス」であるがゆえ
に,「学(ロゴス)」が定義される第7節Bが中心となる。そこでハイデガー
は,言表の「真」とそれに先行するアイステーシス・ノエーシスの「真」に
ついて語る。そしてその両者を現象学の「予備概念」にすぎないとし,その
「真」と区別された現象学の「理念」を示唆している。第1章は,これらの
事象連関を解きほぐし,第2章以下で,アリストテレスの『形而上学』第9巻
第10章,および『ニコマコス倫理学』第6巻を視野に入れるための導入をす
る。 |
Type: | bulletin (article) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/51909 |
Appears in Collections: | 研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences > 第12号
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