寒冷地である北海道では落石や岩盤斜面崩壊がしばしば発生している。既往の研究では、気温変化による熱変形、間隙水の凍結融解、樹木の成長、降水により岩盤の亀裂が進展するとされている(Keppetipola et al.2013)。しかしながら不安定岩体が落下するメカニズムは未だに明らかにされていない。そこで、本研究では非常に不安定な岩体に計測装置を取り付ける方法を開発し、函館市豊崎町の旧道沿いの岩盤斜面を対象として2012年12月より長期モニタリングを開始した。また、有限要素法を用いて熱変形に関する数値計算を行い、傾斜と気温の関係から不安定岩体の寸法を推定する手法を開発し、計測対象としている急崖の不安定岩体の寸法を推定した。