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超ミクロトームによる断面出しと低加速・高分解能反射電子像観察
Title: | 超ミクロトームによる断面出しと低加速・高分解能反射電子像観察 |
Authors: | 清水, 健一 Browse this author | 立花, 繁明 Browse this author | 三谷, 智明 Browse this author | 幅崎, 浩樹 Browse this author →KAKEN DB |
Keywords: | FE-SEM | Sample preparaton | Ultramicrotomy | BSE imaging |
Issue Date: | 30-Mar-2007 |
Publisher: | 日本顕微鏡学会 |
Journal Title: | 顕微鏡 |
Volume: | 42 |
Issue: | 1 |
Start Page: | 45 |
End Page: | 49 |
Publisher DOI: | 10.11410/kenbikyo2004.42.45 |
Abstract: | エネルギーおよび角度選択性を有するin-column型の反射電子検出器(ESB)を搭載した低加速・高分解能FE-SEMの登場により、電子顕微鏡による断面・界面の観察およびナノ表面分析の世界は今、大きく変わろうとしている。加速電圧を1.0~1.5kVと低くすることで組成情報を持つ弾性後方散乱電子の放出領域をできるだけ小さくし、同時に入射ビームに対してわずか15°の立体角の中に弾性後方散乱されてくる電子(high angle BSE)のみを選択的に検出することで、分解能および組成コントラスト敏感性が非常に高い反射電子像(組成像)を容易に撮ることができるようになったためである。今回使用したCarl Zeiss Ultra 55の場合、加速電圧が1.0~1.5kVでの反射電子像の分解能は1.5~2.0nmと、in-lens SE像に匹敵する分解能が得られている。試料を10万倍で観察した場合、1.5nmは画像ではわずか0.15mmにすぎないので、これだけの分解能があれば10~30万倍の高倍率でも鮮明な反射電子像が得られる。つまり、これまではFIBにより薄片化した断面試料をTEM/EDX/EELSで観察・分析しなければ得られなかった10万倍を超える高倍率での断面の組成像が、”表面”を反射電子像観察するだけで誰でも簡単に、しかも極めて短時間で得られるという新たな時代が到来した。 しかしながら、ただ単に断面を観察すれば、高分解能反射電子像が観察できるわけではない。加速電圧が1.0~1.5kVで高分解能反射電子像観察する場合、組成情報を持つhigh angle BSEは表面から~2nmまでの深さから放出されるので、AES分析で要求されるような”きれいで損傷がなく、しかも組成に変化もない断面”が必要である。機械研磨やFIBなどにより断面出しした試料を観察しても良い結果は期待できない。幸いなことに鉄鋼などの金属、プリント基板のはんだ接合界面、樹脂めっき、リードフレームおよび印刷紙などについては、超ミクロトームとダイヤモンドナイフを用いれば高分解能反射電子像観察に適した”きれいで損傷が少なく、しかも組成に変化がない断面”を”誰でも容易に短時間”で作成することができる。本解説では超ミクロトームによる断面出しの詳細と代表的な観察例を2つ紹介する。 |
Type: | article |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/72913 |
Appears in Collections: | 工学院・工学研究院 (Graduate School of Engineering / Faculty of Engineering) > 雑誌発表論文等 (Peer-reviewed Journal Articles, etc)
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Submitter: 幅崎 浩樹
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