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ミュージアムにおける感想カードの価値 : 分類のプロセスと結果の捉え方

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/rjgshhs.23.l107

Title: ミュージアムにおける感想カードの価値 : 分類のプロセスと結果の捉え方
Other Titles: The Value of Impression-cards in Museums : Classification process and how to capture results
Authors: 寺農, 織苑1 Browse this author
Authors(alt): Terano, Shion1
Issue Date: 25-Jan-2024
Publisher: 北海道大学大学院文学院
Journal Title: 研究論集
Journal Title(alt): Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences
Volume: 23
Start Page: 107(左)
End Page: 138(左)
Abstract: ミュージアムの展示会では,来館者が展示会の感想や思いを自由に記述したカードを貼付する感想コーナーが設置されていることがある。本稿では,筆者が2018 年に城陽市歴史民俗資料館で企画・開催したビデオゲーム機展示会で収集した感想カードを分類・分析し,ビデオゲーム機展示会における感想カードが持つ価値について言及しつつ,感想コーナーを設置する意義を考察した。感想カードを分類することで,展示テーマに対する意見や疑問を見付けることができ,継続的に同じテーマの展示会を開催していくことが望まれていることが分かった。しかし,感想カードの分類には必ず分類者の恣意性が介入し,また,展示担当者にしか理解できないコメントもあることから,分類手法が確立したからといって,いかなるテーマの感想カードを誰でも分類することはできないことが明らかとなった。感想コーナーを設けることで,来館者が感想カードを通じ,時空を超えたコミュニケーションを誘発させることができる。これにより,来館者はミュージアムや展示テーマについて,すでに貼られてある感想カードの意見と自身の意見とを照らし合わし,熟考する機会を得る。展示会をただ観覧させるだけでなくミュージアムという場,展示という伝達手法について改めて来館者が考えることができる感想コーナーという場を設けることに意義があり,そこで行われる感想カードによる対話にこそ価値があると結論付けた。本稿では感想カードを分類したが,本稿で示した分類はあくまでもひとつの指標であり,この分類が絶対的に正しいわけではない。したがって,他館でも感想コーナーを設置した展示会が盛んになり,感想カードを分類・分析した結果が論文などで活字化され,これまで以上に感想カードの意義や価値について述べた論考が待たれている状況にある。
Type: bulletin (article)
URI: http://hdl.handle.net/2115/91087
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