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第13号 >
シベ語の方向を表す格について : -ciと-deを中心に
Title: | シベ語の方向を表す格について : -ciと-deを中心に |
Other Titles: | Directional cases in Sibe:Focusing on -ci and -de |
Authors: | ジャ, シュン1 Browse this author |
Authors(alt): | JIA, Xun1 |
Keywords: | シベ語 | 方向 | 表す格 | -de | -ci |
Issue Date: | 20-Dec-2013 |
Publisher: | 北海道大学大学院文学研究科 |
Journal Title: | 研究論集 |
Journal Title(alt): | Research Journal of Graduate Students of Letters |
Volume: | 13 |
Start Page: | 137(左) |
End Page: | 157(左) |
Abstract: | 本稿は,シベ語における方向を表す格接尾辞-ciと-deの用法とその使い分けについて考察したものである。従来の先行研究では,格接尾辞-ciは方向格,格接尾辞-deは与位格とそれぞれ位置づけられており,どちらも方向を表す機能を持っていると考えられている。しかし,先行記述のほとんどはごく簡略な記述のみにとどまっており,詳しい分析は行われておらず,そのため,方向を表す格接尾辞-ciと-deの用法や相違点はまだ明らかにされていない。そこで本稿では,格接尾辞-ciと-deにその用法が似ていると思われる日本語の「ヘ格」と「ニ格」を照らし合わせながら,シベ語の方向を表す格接尾辞-ciと-deの用法・意味機能を明らかにすることを目的として考察を行った。論文の構成としては,まず先行研究における方向を表す格接尾辞-ciと-deについて概観し,次に日本語の「ヘ格」と「ニ格」を概観する。そして,共起関係と意味機能を分析することにより,方向を表す格接尾辞-ciと-deの使い分けを明確にすることを試みる。最後に,本稿内容のまとめ,結論とする。こうした考察により,「方向移動動詞の場合,格接尾辞-ci及び-deとの共起関係が成り立ち,様態移動動詞の場合,格接尾辞-deとの共起関係は成り立たないが,複合動詞の場合はできる。また,格接尾辞-ciは未完了アスペクト接尾辞-miと現在進行アスペクト接尾辞-maχeiとの共起関係が成り立つが,完了アスペクト接尾辞-Xeiとの共起関係は成り立たない。そして,格接尾辞-deは未完了アスペクト接尾辞-miと完了アスペクト接尾辞-Xeiとの共起関係が成り立つが,現在進行-maχeiとの共起が生じることができない。ただし,移動動詞bedere-「帰る」,meda-「曲がる」は例外として,-ciの場合は完了-Xeiとの共起が可能であり,-deの場合は完了アスペクト接尾辞-Xeiのみ共起できる。最後に,方向を表す時,格接尾辞-ciは移動動作の経路を重視し,格接尾辞-deは移動動作の目的地あるいは着点に注目する」ということが明らかになった。 |
Type: | bulletin (article) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/54067 |
Appears in Collections: | 研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences > 第13号
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