Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers >
Communication in Science and Technology Education and Research Program : CoSTEP >
科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication >
31号 >
分子生物学分野のELSI,RRI を学ぶきっかけはどうつくられているのか : 後期中等教育における日英教科書の言説分析
Title: | 分子生物学分野のELSI,RRI を学ぶきっかけはどうつくられているのか : 後期中等教育における日英教科書の言説分析 |
Other Titles: | Providing Opportunities for Cultivation of Scientific Literacy about ELSI and RRI of Molecular Biology: Discourse analysis of upper secondary education textbooks of Japanese and the UK |
Authors: | 西, 千尋1 Browse this author | 藤垣, 裕子2 Browse this author →KAKEN DB |
Authors(alt): | NISHI, Chihiro1 | FUJIGAKI, Yuko2 |
Keywords: | 科学教育 | 分子生物学 | ELSI・RRI | 後期中等教育 | 教科書 | science education | molecular biology | ELSI/RRI | upper secondary education | textbook |
Issue Date: | Sep-2022 |
Publisher: | 北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP) |
Journal Title: | 科学技術コミュニケーション |
Journal Title(alt): | Japanese Journal of Science Communication |
Volume: | 31 |
Start Page: | 77 |
End Page: | 94 |
Abstract: | 近年分子生物学における研究は急速に発展している.それらの成果からは恩恵もあるが,適切な運用への反省もある.その議論のためにも,倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and SocialIssues:以下,ELSI と記す),責任ある研究・イノベーション(Responsible Research and Innovation:以下,RRI と記す)が重要になっている.そして更なる適切な議論のために,ELSI,RRI に関する科学コミュニケーションや,研究者養成にあたり重要な高等教育をはじめ,様々な教育段階における科学教育を活用したリテラシー涵養が重要である.本研究では多様な学校段階の中でも高等教育の準備段階という役割もある,後期中等教育課程に着目した.そして,どのようなELSI,RRI 教育のきっかけがあるかということを,教育で必要不可欠な教科書の分子生物学におけるELSI,RRI の内容を含む箇所の言説分析と,言説の順接関係(支持関係)の可視化を用いて検討することを目的とした.分析の結果,日本の教科書ではELSI,RRIへの言及があるが,自己決定言説が伴う支持関係の出現回数が英国と比較し少ないことが判明した.一方で英国の教科書では,分子生物学と社会に対しての自己決定に関する言説及び支持関係が多く紹介された.これらの結果から,日本の教科書ではELSI,RRI の紹介に留まり,自分のこととして考える機会の提供は少ない可能性が示唆された.そして英国の教科書では各々の倫理観を涵養し,自分のこととして議論できる人材を養成しようとする傾向があることが示唆された. |
Type: | bulletin (article) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/86688 |
Appears in Collections: | 科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication > 31号
|
Submitter: 『科学技術コミュニケーション』編集委員会
|