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日本語を母語としない保護者とのコミュニケーション : 北海道A保育園の調査から支援の在り方を考える
Title: | 日本語を母語としない保護者とのコミュニケーション : 北海道A保育園の調査から支援の在り方を考える |
Other Titles: | How do childcare workers communicate with parents of non-native speakers of Japanese : Considering support for Multicultural childcare |
Authors: | 藤原, 安佐1 Browse this author |
Authors(alt): | Fujiwara, Asa1 |
Keywords: | 保育士 | 日本語を母語としない保護者 | コミュニケーション | 支援 | 地域 |
Issue Date: | Mar-2022 |
Publisher: | 北海道大学高等教育推進機構国際教育研究部 |
Journal Title: | 日本語・国際教育研究紀要 |
Journal Title(alt): | Journal of Japanese language and international education studies |
Volume: | 25 |
Start Page: | 45 |
End Page: | 67 |
Abstract: | 在留外国人の増加に伴い、今後北海道各地の保育園においても外国にルーツを持つ子どもの受け入れが増加することが予測される。本稿の目的は保育士が日本語を母語としない保護者とのやり取りにおいて、どのような場面が難しいと感じているか明らかにし、改善点や可能な支援の在り方を探ることである。本研究では北海道内の受け入れ経験が豊富なA保育園において、園長には聴き取り調査、職員にはアンケート調査を実施し分析した。現状を改善するには、まず行政主体の支援が不可欠である。1)保育園や保護者のニーズに応じた通訳派遣サービスの確立、2)保育園で必要とされる多言語資料の作成、3)翻訳ツール購入補助に加え、有効活用できるような使い方のサポート、4)多文化保育に関する情報を集約し必要なときにいつでも入手できるようなシステムの構築、これら4つの支援を保育園など関係機関が協力し行政に働きかけていくことが必要である。次に保育士が保護者とのコミュニケーションにおいて2つの新しい視点を持つことも非常に重要である。1)「やさしい日本語」の有用性を知り意識的に使用することは、保護者とのコミュニケーションを容易にするだけでなく翻訳ツールの活用にも役立つ。また2)文化的背景の違いを意識したコミュニケーションを心がけることで、何をどのように伝えるかを考えるきっかけになり、これまで言葉の変換だけでは伝えきれなかったこともわかりやすく伝えられるようになる。今後の課題は、このような新しい視点を保育士にどのように周知するか具体的方法を確立することである。また保護者の視点からの問題点についても調査を進め、更なる支援の在り方を考えていきたい。 |
Type: | bulletin (article) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/85361 |
Appears in Collections: | 日本語・国際教育研究紀要 = Journal of Japanese language and international education studies > 第25号
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